EIAの9月11日週データでは、米国のプロパン・プロピレン在庫は1億909万バレル。前週の1億1047万バレルから約138万バレル減りました。しかも輸出は221.3万b/dと5年平均を33%上回っています。
在庫水準自体はまだ潤沢で、メキシコ湾岸(PADD3)は5年平均を約20%上回っています。しかし、これだけ輸出が強い状態で冬場へ向かうのは重要です。Mont Belvieuプロパンも直近で0.855ドル/gal、前週比+5.7%まで上昇しています。
◆要因➀:中国の米国LPG購入が本格回復、2025年の貿易摩擦前の水準へ
Vortexaが9月19日に公表した分析によると、中国の米国産LPG購入は2025年の米中貿易摩擦以前の水準まで回復しています。背景は、中東からの供給不足に加え、中国側が米国産LPGの通関・関税処理を改善したことです。中国PDH勢が米国玉を再び大量に吸収するなら、米国→極東のアービトラージが維持され、Mont BelvieuとVLGCの双方に上昇圧力がかかります。
◆要因②:インドも米国LPG依存を急拡大
インドでは中東供給の混乱を受け、米国産LPGの輸入比率が直近6カ月で50%超へ急上昇したと報じられています。従来の中東依存から、米国への大規模な調達シフトです。一方、4~8月のインド国内LPG消費は前年同期比16%減。供給制約とPNGへの転換なども影響しています。つまり「インド需要が強い」という単純な話ではなく、調達先が中東から米国へ大きく動いていることの方が重要です。
◆そしてさらなる価格圧力はVLGC運賃-高騰が一過性ではなくなりつつある
BW LPGのCEOが今週、ホルムズ情勢後のVLGC市場について、米国発VLGC運賃が急騰した後も非常に高い水準を維持していると説明しています。注目すべきは、危機以前には世界LPG貿易の約30%がホルムズ海峡を通過していたという点です。中東玉の代替として米国→アジアの長距離輸送が増えれば、トンマイル需要そのものが膨らみます。さらにパナマ運河では、LPG船が通航予約枠に500万ドル超を支払った事例まで出ています。中東混乱→米国からアジアへの輸送増→パナマ運河混雑、という二重のボトルネックです。
