端的に言えば、日本に石油が届かなくなる前に、まず石油価格が高騰し、国民生活と企業経営を直撃するということです。理由は簡単です。世界の石油市場では、どこかで供給不足が起きても、これまでは在庫を取り崩して不足分を補ってきました。
ところが、その在庫が減ってしまうと、少しの供給トラブルでも価格が大きく跳ね上がるようになります。日本への影響は次の順番で現れると考えられます。
1.ガソリン・軽油・灯油が値上がりする。特に軽油高はトラック輸送や農業、漁業に影響します。
2.電気・ガス料金にも上昇圧力がかかる。原油高がLNG価格に波及する可能性があります。
3.食品や日用品が値上がりする。輸送費や製造コストが上昇するためです。
4.企業収益が悪化する。 コストを価格転嫁できない企業ほど利益が圧迫されます。
5.供給混乱が長期化すれば、石油製品の不足も起こり得る。備蓄だけでは不足を補いきれない。
日本には石油備蓄がありますから、直ちに石油がなくなるわけではありません。しかし、備蓄があっても国際価格の高騰を完全には防げません。つまり、今起きているのは「石油が足りなくなる危機」であると同時に、「石油が手に入っても高すぎる危機」なのです。
そして日本のように石油のほぼ全量を輸入に頼る国では、家計の負担増、企業収益の悪化、景気の下押しが同時に進む危険があります。このような大事な話が行われたG7に、身内との飲酒で欠席して代理を立てる総理大臣。なんという危機感の欠如でしょうか。呆れてモノが言えません。
