
1995年、日ノ丸産業株式会社入社、一般LPガス部門に配属。その後、創エネリフォーム課(現・ハウジング事業部門)課長、創エネリフォーム部・部長、常務執行役員を経て、2025年9月に社長に就任。
最初の出会いは新日本石油時代(現ENEOS)、私がソーラー事業グループのマネージャーとなり、太陽光事業の立ち上げを行っている時だった。当時から新たな事業への関心が高く、日ノ丸産業ではリフォーム事業の立ち上げを命じられ、見事に収益の柱の一つになるまで育て上げた。
この人のリフォームの話は、多くの事業者に伝えねばならないと思い、久し振りに鳥取に赴いた。
※以下、敬称略
【取材日:2026年6月22日】
リフォーム事業をゼロから立ち上げ、会社の収益の柱にまで育て上げた
境 野:大変ご無沙汰しております。お会いするのは5年ぶりになりますね。知らぬ間に社長になられていました笑。
小 山:いやいや、こちらこそすみません、ご連絡差し上げずに。
境 野:早速ですが、小山さんにお聞きしたいのがリフォーム事業です。創エネリフォームの課長をされていた時、立ち上げ当初で確か3人でしたよね?
小 山:右も左も分からない状況でした。ずっとLPガスでしたから。とにかく、やってやろうという想いでいっぱいでした。ただ、ガスの強みが最初から活かせたのは大きかったですね。
境 野:と言いますと?
小 山:4年に1回の法定点検があるじゃないですか。家に上がれるわけですよ。「お客さん、台所どうですか?うちリフォームは以前からやっていたんですけどね」というところから見積もりを始めて、少しずつ大きくなっていった、そういうところがきっかけですね。
境 野:なるほど、人の家に上がれるのはガス屋の特権ですからね。その特性が上手くマッチしたと。
小 山:もう本当にそうでしたね。リフォーム課から親しいガスのメンバーに、「仕事流してくれ」と、「点検があるだろう」と。その時に床の張り替えとか、小さな壁の張り替えでも何でもいいから、とにかくお客さんに宣伝してくれと。最初は3人でしたから、毎日が現地調査の日々でしたね。
境 野:ガスの仲間を中心に全社、全部門に呼びかけられたんですね、手伝ってくれと。
小 山:はい。建材も部門としてありまして、何も分からない中、床の職人さんを紹介してくれと。少しずつ色々な業者さんを紹介してもらって学んでいきました。
取引先にも、床を修繕するのが得意だとか、内装を直すのが得意という会社さんがありました。その会社の方々とwin-winの関係を作りながら業態を拡大していきました。
境 野:なるほど、ありがとうございます。やっぱり3人で始められて、小山さん含めてほぼ経験値がなかったわけですよね。
小 山:1人だけ2級建築士の有資格者がいました。その人は新築も1軒建てられるぐらいの人でしたから、この存在は大きかったですね。
最初の頃、多かったのはトイレや洗面の木廻りの取り替えです。その人に学びながら、自分たちの手でやっていこうと。私でもできるレベルになりましたし、そうしてメンバーも育ち、増えていきました。
境 野:その建築の経験の方がいらして、それを小山さんともう1人の方が色々と教えを請いながら、一つ一つ現場でトライアンドエラーを重ねながらやってきたわけですね。

小 山:失敗もたくさんありました。ですが、会社側がしっかりと支えてくれました。
境 野:会社の新規事業に対する理解度が深くて高かったんですね。
小 山:そうです、本当に。そして失敗と同時に、リフォームの難しさも感じました。
境 野:どんな部分でしょうか?
小 山:床、壁、天井、みんな繋がっていますからね。だからクレームが多いんですよ。床に傷がついたら壁までいく。壁まで傷がついたら、それが天井までいくんです。
だからクレーム三昧なところがあって、ちょっとしたミスが大きなミスにつながりやすいんですね。熟練するまでは本当に大変です。
ガスの給湯器を替える、燃料電池を設置する、屋外じゃないですか。屋外の仕事は割となんとかなるんです。
リフォームはお客さんが住みながらやる仕事ですから、レベルが凄く高い。だからこそやりがいも大きい。
本当はもっともっとリフォームを伸ばしたいですし、営業も取ってくることは出来ます。
ただ、ちゃんとした人がいないと、本当に大きなクレームになるという課題を抱えています。
境 野:今おっしゃって頂きました、やりがいはどういう部分ですか。
小 山:お客さんが心から喜んでおられることが分かりました。本当に家が綺麗になりますから、嬉しそうな顔をされて心からのお礼を言われる。
やりがいを感じる最高の時です。でも、その綺麗に仕上げるのには、やはり腕がいるんですよ。
育てていきたいのはオールラウンドプレーヤー、地域貢献で存在感を高めていきたい
境 野:経験値ですよね。ところで、会社の業態としては今どんな感じですか?ガソリンスタンドがあって、LPガスがあって、リフォームがあって。
小 山:大雑把ですが、石油が売上ベースで半分以上ぐらいです。ガスが2割で、建材とリフォームで2割、その他の旅行業他で1割ないといったところです。
境 野:事業割合として、やはりそこまで育て上げたというのは大きいですね。どういう方向に持っていきたいですか?リフォーム事業を。
小 山:例えば新築は別として、リフォームをしないと床暖房ができないですよね。ガスとの合わせ技で伸ばしていきたいです。
そのためには住設周り含めて幅広い知識が必要になります。だからオールラウンドプレーヤーを育てていきたいですね。
境 野:おっしゃる通りだと思いますね。若い人が少なくなってきていますので、やはり彼らにとって、働いて楽しい会社にするためにも、色々な経験をさせる必要があると思います。
ずっとガスとか、ずっとスタンドだと辞めちゃうんですよ。様々な仕事の経験で人間は成長するんだというのを体感させてあげないと。
私もENEOSでは社歴の半分を新規事業に費やしてきたので、その辺の感覚はよく分かります。
小 山:ENEOSに凄い人がいるなと思いまして、本社に電話して「太陽光事業、どうやったらいいですか?」と、境野さんとの出会いはそれが最初でした。
境野さんは新しい事をバンバンやってこられましたし、大変刺激を受けました。
境 野:有難うございます。そういう新規事業への好奇心なども若い人にも伝えていきたいですね。最近の若い人たちはどうでしょう?
小 山:育ってきた年代も変わって、環境も変わってきていまして、気づけばオール電化の家に住んでいるという子が今もう入社されてきています。
火を見たことがないという若い世代が出てきているんですね。
この前、米子にあるリンナイさんのショールームがあって、そちらに新入社員と去年入った 2年目の社員を連れて行って、ビルトインコンロでパンなんかを焼いたりとか、チキンもグリルで焼いたりとか、部長が引き連れていったんですよ。
初めてガスで焼くパンを食べたらしく感動していたと。やはりこれはどんどん勉強させなきゃいけないなっていうふうに思いましたね。
利用者を増やしてもらうためにも、見せることは絶対重要だなと思います。その回数を増やしてガスコンロ需要を高めていこうという話をしていますね、今。
境 野:最後に、どんな会社にしていきたいですか?日ノ丸産業を。
小 山:5年前に建てたこの新社屋も実は脱炭素、4階建ての木造なんです。

蓄電池とか、燃料電池とかもありますけども、やっぱり脱炭素事業に特化していきたいと思っています。
今、一番力を入れているのが太陽光です。4kWで100万円台とだいぶ安くなってきました。とにかく太陽光を付けて自家消費して欲しいと、鳥取は戸建てが多いですから。
太陽光で電気代も下がりますし、環境負荷が低いLPガスで床暖房なんかと組み合わせて、お客さんに喜んでもらえるようなことをやっていこうと思います。
当社の各拠点で地域貢献していくことで、日ノ丸産業の存在感を高めていきたいですね。
境 野:本日は有難うございました。益々の御社の発展を祈念しております。



