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Connect People5 ベストミライクル株式会社 代表取締役社長 矢野寿さん

2026 6/16
Connect People
2026年6月16日

住宅設備保証を軸に、不動産・LPガス業界へ独自の価値を提供するベストミライクル株式会社。
メーカー保証終了後の“空白”を埋める保証サービス。同社は今、業界の構造と業務の在り方の両方に変化をもたらそうとしている。
そして、その中心にいるのが、「人とのつながり」を何よりも大切にする矢野社長。
今回、知り合いのガス事業者からの紹介で初めて出会い、「これは面白い話が聞けそうだ」との理由で対談を申し込んだところ、即答で快諾頂いた。あえて事前情報なしで挑んだ対談、是非ご覧頂きたいと思います。

■プロフィール
福岡県出身。大学進学を機に上京。大学卒業後はアルバイト先の大手居酒屋チェーンに入社(社長より直にスカウトを受ける)。店長、営業企画、人事・労務(中途社員・アルバイト採用責任者含む)・グループ会社の人材派遣会社の立ち上げ運営を経験。その後、30歳でLPガス大手に転職。静岡等でLPガス直売経験を積み、本社営業部を経て福岡(九州)拠点の立ち上げに参画。その力量を見込まれ、(株)エネライズガス、(株)駅前リフォームの代表を歴任。2019年7月、休眠に近しい会社のベストミライクル株式会社を引き継ぎ、代表取締役に就任し現在に至る。

境 野:今回はベストミライクルの矢野社長と対談ということですが、サイサンの鈴木さんとのご縁で、私は何にも知らないまま、実は今日あえてベストミライクルさんが何者かというのも詳しく調べずに対談に臨んでいます(笑)。ですから、たっぷりとその辺の自己 PR をして頂きたいというところから始めたいと思いますが、そもそもベストミライクルとはどんな会社なのでしょうか?

矢 野:一言で言いますと、我々に関わるすべての方々(お客様・協力支援者様・自社スタッフ等)のベストな未来を創造する会社にしたいと、それで社名をベストミライクルにしました。

境 野:いいですね。

矢 野:2013年の5月に福岡県で創業しています。私が大手ガス会社にいた時に福岡では有名な三好不動産さんのご担当の方からの紹介で、東京の本社でベストミライクルの創業者(現:株式会社ラストワンマイル[東証グロース上場企業]渡辺誠会長・CEO)にお会いしました。販路は同じだから互いに協力できそうだというのが発端ですね。大手ガス会社の福岡拠点を立ち上げる際、駅前不動産グループという会社をご紹介頂きまして、そこがLPガス会社を立ち上げたがっているから、「矢野さん、協力してやれば」ということで行ったんです。そうしましたら駅前不動産グループの代表者の出身地は、私と同じ福岡県北九州市であることをきっかけに馬が合い、当時の上席役員より「困ったことがあれば、全力でサポートするから」ということで、ガス会社を立ち上げました。 約4年半の在籍でしたが、ゼロから始めて1,800世帯近くまでガス供給を伸ばすことができました。

境 野:そこで、どうして辞められたのですか?

矢 野:設備保証(メーカー保証の延長保証サービス)をどうしてもやりたかったんですね。ちょうどそのタイミングで、ある損保会社さんが組もうと言ってくれたんです。ガス会社の中で設備保証の仕組みを作ろうとした時に、どうしても利益相反になってしまうところがありまして、その損保会社さんが、「完全にガス業界を卒業しましたら応援しますよ」と。それで決心がついたんです。保証の設計を、その損保さんや代理店さん含めて一緒に始めまして、そこから販売していったところ、「この説明書、面白いね」と、サイサンさんに評価・ご縁を頂いたというのが、今回の境野さんとの出会いの契機でもあります(笑)。

境 野:なるほど(笑)。

矢 野:ガス会社の営業はガス器具の販売の予算も与えられますので、大体その受付順に工事に着手していくかといいますとそうでもない。「大手さんあるある」だと思うのですが、受付順に本来やらないといけないのが、どうしても売りに走ってしまって、フリーメンテ等の売上にならない工事を後回しにし、それでクレームになるということは、結構よく聞く話です。 それは実際、私自身が目の当たりにしたことでもあります。そこで、順番通りに受付対応していくためには、設備保証を我々の方で販売していき、故障が生じたら保証売上として立てることができるようにする。今までフリーメンテで売上げにならなかったのが、多少の利益が残ることで受付順通りに正すことができるかなと。それを発信していったところ、契約が一社ずつ増えていったんですね。そしてさらに、不動産管理業界で伸びるきっかけとなったのが、2020年の民法改正。設備が壊れました、そうしたら3日以内とか設備によって異なりますが、修理して使えるような状態にしないと家賃が減額になりますと、こういう法改正がありました。そうなりますと、インバウンドが凄く多くなっていた時期で、不動産管理会社さんが外国人オーナーさんの対応にとても困っていると。で、連絡が取れなくなってしまった時に、示談交渉でしたら10万円まではオーナー承諾不要になりますので、故障から修繕までに掛かるスピードが一気に上がる。 そのツールとして設備保証が必要だということで、日本全国の管理会社さんから、たくさんお問い合わせを頂きました。

境 野:民法改正の影響は大きかったんですね。確か部屋を借りる人の連帯保証人も高齢化で難しくなり、家賃保証ビジネスが拡大していった時でもありましたね、上場している大分のジェイリースとか、福岡のニッポンインシュアとか、その流れの中にいたわけですね。

矢 野:おっしゃる通りです。ただ、そこまではまだ良かったんですけど、2024年の省令改正によって、今度はガス会社さんが今まで無償でオーナー様をサポートしていたのがダメだよということになりました。そうなりますと、不動産管理会社さんが板挟みになってしまいます。 今まではプロパン物件は全部もう不動産管理会社さんからの鶴の一声でガス会社さんが動いてくれていたものが、今後はできなくなりますと。 そうなりますと、特に外国人オーナーさんですと、「いや、管理手数料を払っているんだから、そこで直してくれるんでしょ」と。「いや違います。それはあくまでも管理をする手数料で、修繕関係とかはオーナー様が費用負担されるようになるんですよ」と、それを理解されている人もいれば、されてない人もいる。これを補うためには、設備保証をオーナーさんに入ってもらわないと、自分たちが苦しくなるんだと、そういう事態がもう色んなところで起きていると、そう言って回りました。

境 野:2024年の省令改正で無償貸与は一切しない方向でとワーキングでも整理されました。無償貸与そのもの自体は悪ではないのですが、無償貸与の設備購入代を、全くあずかり知らぬ部屋の賃借人のガス料金に乗せていたという悪慣習が拡がり、その温床になる無償貸与はダメですと、こうなったわけです。その流れの中でフリーメンテもダメですと。「いやいや、今までやってくれてたじゃないか」「今までは無償でしたがこれからは有償にしますという話なので、大家さんが家賃に乗せて下さい」と、そういう法令改正なんですよという説明を、ちゃんと正直者が馬鹿を見る覚悟でやって、それでも外国人のオーナーの方が「よくわからん」と、そういうことがあったんですね、整理しますと。

矢 野:そうなんですよ。そういうことで、この設備保証であったり、家賃保証とかが、どんどん普及しだしたということですね。

境 野:そもそも設備保証とはどういうものなんでしょう、より具体的にお願いしたいと思います。

矢 野:一言で言いますと、メーカー保証の延長保証サービスなんですね。 メーカーさんが保証する内容を延長して保証しますよと。メーカーさんが保証する内容というのは自然故障になります。メーカーさんが取扱説明書で推奨する使用をしていましたと、それで普通に自然に壊れた故障を保証するのがメーカー保証になります。メーカーさんは大体1年ぐらいまでは保証はしますけども、その保証が切れた後の保証を行うサービスが、我々の住宅設備保証のサービスになります。

境 野:なるほど、分かりやすい説明ありがとうございます、そういうサービスなんですね。メーカー保証が切れた後に保証ができると、それをどうやって可能にされたのですか?

矢 野:我々のプランはAからKまでありますが、Aの場合は450円頂いておりまして、大体9割ぐらい保険会社の方に保険料として納めています。製品が壊れましたら、保険会社からの保証金を保証料として充当します。1回の故障につき最大10万円(税込)までは保証しますよというサービスで提供させて頂いています。大体、製造から20年までという保険を作って頂いて、それで運用しているということですね。一方、そういう形ではなく自家保証というものもありますが、結局自らが、例えばオーナー様からお預かりしたお金をプールしていかないといけない。そのプールをしていくというのが結構大変なんですね。それを我々は4大損保の会社に保険料として納めていることで、何かあった場合は、その保険金を引っ張って充当すると。器具直販会社との共同運営の場合は、保険の資格がなくてもその運営はできるんですね。

境 野:どちらかというと自動車保険に近いですかね。契約してオーナーさんからお金を頂いて、それを保険料として、何割かを保険会社に預けるわけですよね。で、一件もし故障があったら、その中から保険料として10万円まで充当すると、そこでビジネスサービスが成り立つわけですね。例えば凄く分かりやすく言うと、100件で100万円もらって、そのうち1件がたまたま故障で10万円払います、その残りが利益として蓄積されていくというようなイメージですか。

矢 野:おっしゃる通りです。はい。我々のこのサービスというのは、保険金をエンドユーザーのオーナー様に提供するわけではありません。あくまでもメーカーの延長保証サービスで、我々がその保証期間、保証限度額のところで保証金を修理費等に充当しますので、そのお金がオーナー様のところに渡るわけではないんですね。

境 野:そこを正しく伝えた方がいい気がしますね。「これは無償貸与の延長じゃないか」みたいな取り方をしている事業者がいるので、そうじゃないよと。ベストミライクルはちゃんとした保証事業だよ、と。

矢 野:もう一点はですね、基本的に直接BtoCでオーナーさんとやっていないんですよね。BtoBtoC で運営していますので、その販売元さんが実際販売している商材に我々が協力させて頂くという形を取っています。この保証サービスというのは、あくまでもメーカー保証の延長保証サービスになりますので、基本はメーカーさんが現地に行って修理します。その修理費用を我々が保証しますと。 オーナー様からは毎月保証の掛け金を頂いており、我々を通じてその保証を販売してくれているガス屋さんでしたらガス会社さんが徴収してくれて、我々にお支払い頂いている形もあります。

境 野:それは全然無償対応じゃないわけですね。ちゃんとオーナーから頂いているわけですから。

矢 野:はい。そうなんですよ。

境 野:勝手に誤解している人が多いということですね、仕組みをよく分からずに。でも今回良かったですね、仕組みをここで紹介できましたので(笑)。いいビジネスサービスですよね、メーカー保証が切れても、自分たちがそういうスキームでちゃんとできて、メーカーとも契約ができているということですから、胸を張ってできるビジネスだと思います。

矢 野:新品から8年ぐらい経過しましたら、もう修理部材の生産をストップしてしまうと。 生産後は残った部材が、12年ぐらいで切れることが多いんですけど、その場合は新品同等品への交換費用まで上限10万円まで充当することができます。交換の手配まで我々は一応全国に手を持っていますので、提携している職人さんと共同で交換、新品同等品の交換までサポートさせて頂いています。

境 野:集合住宅のオーナーに対して厳しくなっている改正省令、紹介料、無償対応、安値器具もダメだよって言っている中で、胸張って堂々とオーナーさんに紹介できる正規のサービスって言えるじゃないですか。 今のところ対象は大手が中心なんですか?

矢 野:そうですね。賃貸市場がまだまだ多く、そのパイを持っている会社さんからのお問い合わせが多いですね。国会議員さんより宮城県のLPガス協会・東北液化石油ガス保安協議会の紹介を受けまして、そこで今我々も賛助会員としてうちのサービスのご案内をさせて頂いています。そういうことであれば安心だねということで、今は宮城県のLPガス協会の会員様も一社一社広がってきています。 東北の液化石油ガスの保安協会の賛助会員にも同時に加盟させて頂きましたので、少しずつ信用を積み重ねていけるかなと。

境 野:段々作っていけばいいんじゃないですか。給湯器メーカーのように、ガスに必須のサービスですと、どこに行ってもベストミライクルさんがいるみたいな感じで。是非、信頼を積み重ねいって頂きたいと思います。いいサービスなんですから。

矢 野:ありがとうございます。業界の為にも精進していきたいと思います。

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