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9月14日、第14回液化石油ガス流通ワーキンググループが開催され、オーナー向け紹介料上限2,500円/戸という定量基準が提示されました。
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液化石油ガス流通WGアーカイブ

LP GAS POLICY ARCHIVE

液化石油ガス流通WG DATABASE

制度改革が「いつ・何を問題にし・どう変わったか」を時系列で追う。

16件
こんな言葉から探せます 料金公表値上げ請求オーナー管理会社 無償機器設備貸与紹介料過大な営業行為 設備料金貸付配管切り替え制限通報フォーム モニタリング正常な商慣習
10 YEARS OF REFORM

「料金を見える化する」から「取引構造を変え、執行する」へ

2016年、LPガス改革は料金透明化から始まった。しかし自主的な取組だけでは商慣行は十分に変わらず、2023年にWGが再始動。議論は利益供与・設備貸与・三部料金制・切替え制限へ広がり、現在は制度を作る段階から「どこからが違反か」を具体化し、実際に法執行する段階へ進んでいる。

THREE THREADS

10年間を貫く3つの論点

料金透明化

料金表の公表 → 値上げ理由の説明 → 三部料金制へ。単なる表示から、料金の中身そのものの透明化へ。

切替え自由

1週間ルール → 貸付配管 → 長期契約・違約金へ。消費者が本当に事業者を替えられるかが一貫した争点。

利益供与

無償貸与 → 過大な営業行為の禁止 → 具体的上限へ。第13・14回で考え方の違いが鮮明になった。

NOW / 第13–14回

利益供与を巡る3つの考え方

Aオーナー等への利益供与はゼロ

入居者が事業者を選べない賃貸住宅では、第三者への利益供与を認めるべきではないという考え方。

Bゼロを目標に、まず上限設定

最終方向は共有しつつ、行政が取締りできる具体的な金額基準を先に置くという考え方。

C金額より切替え自由を重視

過大な利益供与を回収できない市場にするため、長期契約・違約金など切替え制限の解消を優先する考え方。

第1回 2016年2月5日 料金透明化を、LPガス市場の競争力の問題として捉える +

料金透明化を、LPガス市場の競争力の問題として捉える

POINT

電力・都市ガスとの競争時代を前に、LPガスが「料金が分かりにくい」ままでは市場から選ばれない。料金透明化を業界の重要課題として正面から議論した出発点。

MINUTES DIGEST

議事録から読む

電力・都市ガスの小売自由化を控え、LPガスが消費者から選ばれるエネルギーであり続けるため、料金透明化を中心に議論した出発点。標準料金の公表だけでなく、料金体系の分かりにくさ、事業者・地域による料金差、賃貸集合住宅で消費者が供給事業者を選びにくい構造などが問題意識として共有された。事業者ごとの経営努力やサービスの違いを尊重しつつも、消費者が料金を理解・比較できなければ健全な競争にならないという方向が見える。ここから、料金公表、契約時説明、賃貸住宅の情報格差という、その後の制度改革につながる論点が始まった。

01
標準料金の公表

消費者が料金水準を比較できる環境をどう整えるか。

02
賃貸住宅の料金透明化

入居後までLPガス料金が分かりにくい構造への対応。

03
契約・請求時の説明

料金の算定根拠や請求内容を分かりやすく示す。

04
競争時代のLPガス

料金面でも「選ばれるエネルギー」への転換。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

大石美奈子委員(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 理事・環境委員長)

料金透明化を努力規定だけに任せると、守らない事業者が得をすると指摘。値上げの事前通知や設備費との区分表示を徹底し、必要なら法的措置や事業者名公表まで含む実効的な対応を求めた。

澤田栄一委員(株式会社マルエイ 代表取締役社長)

価格を示さずに消費者から選ばれることはできないとして、料金透明化を強く支持。設備貸与の有無を料金に反映し、将来的には三部料金制へ移行する一方、安値勧誘や過大投資など不健全な顧客獲得競争の是正も求めた。

関口剛委員(株式会社カナエル 代表取締役社長)

100種類を超えていた料金体系を統一し、ホームページで料金を公開した自社の経験を紹介。料金を隠す経営から、価格・保安・サービスを公開して消費者から直接選ばれる経営へ転換すべきと示した。

土佐和生委員(甲南大学法科大学院教授)

賃貸集合住宅の料金問題は液石法だけでなく宅建業法など複数制度の谷間にあると指摘。入居前に事業者・料金を知って物件を選択できる環境を整え、他エネルギーとの公平な競争条件も踏まえて制度を検討すべきとした。

林弘美委員(公益社団法人全国消費生活相談員協会関東支部エネルギー問題研究会 代表)

消費者の多くはLPガスが自由料金であることや自分の料金水準を認識していないと指摘。特に事業者を選べない賃貸集合住宅では、入居前の料金情報提供を重要事項説明等で担保し、値上げ通知も消費者が確実に認識できる表示にすべきとした。

橘川武郎座長(東京理科大学大学院イノベーション研究科 教授)

輸入価格が大幅に下がっても小売価格の低下が限定的な現状を問題提起。電力・都市ガスとの競争時代にLPガスが選ばれるには、料金を透明化し、消費者が価格・サービスを比較できる市場へ変わる必要があるとWGの方向性を示した。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 料金を「説明できること」自体が競争力になるという問題意識が明確になった。
  • 標準料金の公表、契約・請求時の説明など、従来は各社判断だった情報開示が経営課題になった。
  • 電力・都市ガス自由化を前に、LPガスが消費者から選ばれるための料金透明化が求められた。
  • 賃貸住宅を含む消費者との情報格差をどう縮めるかが、その後の制度改革の出発点となった。

今後の注目点

◆ 標準料金公表がどこまで業界へ広がるか◆ 賃貸住宅の料金情報格差をどう縮めるか◆ 値上げ・請求時の説明ルールがどう具体化するか◆ 透明化が制度・ガイドラインへどう発展するか
料金透明化標準料金料金公表料金比較賃貸集合住宅入居者
開催資料 ↗ 議事録全文 ↗
第2回 2016年3月10日 料金透明化を理念から具体策へ +

料金透明化を理念から具体策へ

POINT

料金公表状況の調査結果も踏まえ、標準料金、契約、値上げ、請求、苦情対応など、透明化を実務に落とし込む論点が具体化した。

MINUTES DIGEST

議事録から読む

第1回の問題提起から一歩進み、料金透明化を具体的な実務へ落とし込む議論が進んだ。料金公表状況調査が示され、ホームページ等での標準料金の公表、契約時の料金説明、値上げ時の通知、毎月の請求内容の分かりやすさ、料金照会・苦情への対応など、消費者との接点ごとに課題が整理された。透明化は単なる料金表の掲載ではなく、契約から請求、問い合わせ対応までを含む販売事業者の日常業務全体の問題として捉えられるようになった。

01
料金公表の実態把握

料金公表状況調査を通じ、業界の現状を可視化。

02
契約時の透明化

契約書面や料金説明のあり方を具体的に検討。

03
値上げ・請求の透明化

料金変更理由や請求内容を分かりやすく伝える方向へ。

04
相談・トラブル対応

料金照会や苦情への説明責任を論点化。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

大石美奈子委員(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 理事・環境委員長)

苦情件数の減少だけでは実態を捉えきれないとして、値上げ時には新料金だけでなく理由・根拠まで説明すべきと主張。標準料金公表に期限を設け、14条書面の説明徹底やLPガスが自由料金であることの周知も求めた。

土佐和生委員(甲南大学法科大学院教授)

事業者と消費者には情報量・交渉力の格差があるとの認識から、価格や設備費を含む契約条件の「見える化」を重視。十分な情報提供と説明を前提に消費者が選択し、その後の事業者切替えも不当に妨害されない市場を求めた。

澤田栄一委員(株式会社マルエイ 代表取締役社長)

主要事業者でも料金公表が進んでいない現状に危機感を示し、全国LPガス協会に強いリーダーシップを要求。設備貸与の有無も料金の中で明確化し、悪質な値上げや勧誘を行う一部事業者には行政処分を含む厳しい対応を求めた。

関口剛委員(株式会社カナエル 代表取締役社長)

事業者変更時の委任状や「1週間ルール」の運用で、旧事業者の設備が新事業者により撤去される実態を問題提起。料金公表には賛成しつつ、各社が迷わず公表できるよう「標準的な料金」の定義を明確にするよう求めた。

林弘美委員(公益社団法人全国消費生活相談員協会関東支部エネルギー問題研究会 代表)

料金公表は善良な事業者を消費者が選ぶための必須条件とし、ネット上のブローカー的な紹介サイトにも警戒を表明。14条書面は渡すだけでなく確実に説明し、苦情対応も保安と同じスピード感で行うべきとした。

橘川武郎座長(東京理科大学大学院イノベーション研究科 教授)

単に標準料金を公表するだけでは高めの価格へ誘導する可能性があるとして、料金形成の構造まで踏み込む必要性を指摘。消費者団体が事業者情報を集め、国がそれを支える仕組みによって透明化と競争を進める方向を示した。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 料金公表状況が調査され、料金を外部に示しているかどうか自体が評価対象になった。
  • 契約、値上げ、請求という顧客接点ごとに説明方法を見直す必要性が高まった。
  • 苦情・照会対応を含め、料金体系を社内で一貫して説明できる体制づくりが重要になった。
  • 透明化を理念ではなく、ホームページ・書面・請求実務へ落とし込む段階に入った。

今後の注目点

◆ 料金公表率をどう高めるか◆ 契約時の説明事項をどこまで標準化するか◆ 値上げ通知・請求表示をどう改善するか◆ 苦情・照会対応を業界全体でどう底上げするか
料金透明化料金公表値上げ請求契約書面消費者対応苦情相談
開催資料 ↗ 議事録全文 ↗
第3回 2016年4月28日 議論を報告書と実務ルールへ収束 +

議論を報告書と実務ルールへ収束

POINT

第1・2回で積み上げた料金透明化・取引適正化の議論を整理し、行政・業界・関係者が実際に動くための方向性を報告書へつなげた。

MINUTES DIGEST

議事録から読む

第1・2回で積み上げた論点を、報告書と具体的な対応へ収束させる段階となった。特に賃貸集合住宅では、入居者がLPガス事業者を自由に選びにくく、入居前には料金情報も十分得にくいという問題に対し、不動産関係者との連携を含む対応が議論された。標準料金の公表、契約時説明、値上げ通知、請求内容の透明化を一連の消費者保護策として整理し、2016年5月のWG報告書へつないだ。

01
料金公表の定着

標準的料金メニューを公表する方向性を整理。

02
賃貸住宅への情報提供

入居前に料金情報へアクセスしやすくする連携を検討。

03
契約・値上げ・請求

算定根拠や変更内容を分かりやすく伝える実務を整理。

04
改革の実行段階へ

議論を報告書にまとめ、制度・指針・業界対応へ。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

大石美奈子委員(公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 理事・環境委員長)

LPガスが自由料金であることや料金情報を、消費者一人ひとりにもっと確実に届けるべきと主張。標準料金の公表だけでなく、値上げ時には変更後の料金と理由を請求書等で知らせ、約束した事業者の料金公表も必ず検証するよう求めた。

林弘美委員(公益社団法人全国消費生活相談員協会関東支部エネルギー問題研究会 代表)

一部の問題事業者だけでなく、古い商慣行を残してきた業界全体にも改善責任があると指摘。料金を公開し消費者に信頼される事業者が報われる市場と、消費者自身がエネルギーを比較・選択できる環境づくりを求めた。

土佐和生委員(甲南大学法科大学院教授)

電力・都市ガス自由化など環境が変わる中、LPガスもエネルギー間競争を前提に戦略を見直す必要があると指摘。顧客の移動は当然のものとして円滑に保証し、規制も目的を守りながら時代や技術に合わせて手段を変えるべきとした。

澤田栄一委員(株式会社マルエイ 代表取締役社長)

料金透明化を業界の商慣行を変える契機と捉え、自社でも新料金メニューの周知・公表を進めていると説明。料金公表を表明した事業者だけでなく、未対応の事業者も継続的に追跡し、業界全体で改革を進めるよう求めた。

関口剛委員(株式会社カナエル 代表取締役社長)

料金公開が十分でないことを業界の努力不足と認め、積極的な公表を支持。一方、標準料金を公表しながら極端な安値で顧客を獲得し、その後値上げする営業を問題視し、料金公開を企業の信頼と成長につなげる経営を目指すべきとした。

橘川武郎座長(東京理科大学大学院イノベーション研究科 教授)

LPガスは優れた商品だからこそ、自由化時代には透明で適正な取引が不可欠と強調。国・業界だけでなく消費者団体も料金公表や苦情情報の監視に関わり、消費者自身も情報を見極めることで市場全体を改善すべきと整理した。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 第1・2回の議論が報告書へ収束し、事業者の自主対応だけでなく制度・指針へつながる段階に入った。
  • 賃貸住宅ではLPガス事業者だけでなく、不動産関係者との情報連携が重要になった。
  • 料金公表、契約時説明、値上げ通知、請求表示を一連の顧客説明プロセスとして整える必要が生じた。
  • 2017年以降の取引適正化・料金透明化施策を先取りして社内運用を見直す意味が大きくなった。

今後の注目点

◆ 報告書が省令・指針へどう反映されるか◆ 不動産業界との情報連携が定着するか◆ 料金公表が実際の比較可能性につながるか◆ 改革が一過性で終わらず継続するか
料金透明化賃貸集合住宅入居前情報不動産取引適正化
開催資料 ↗ 議事録全文 ↗
2016報告書 2016年5月17日 2016年WGの議論を報告書として集約 +

2016年WGの議論を報告書として集約

POINT

第1〜3回の議論を踏まえ、料金透明化と取引適正化をLPガス業界が進めるための方向性を整理した、制度改革の原点となる文書。

MINUTES DIGEST

政策文書から読む

第1〜3回の議論を受け、料金透明化と取引適正化をLPガス業界全体の継続課題として整理した節目。会議で繰り返し指摘された標準料金の公表、契約時の説明、値上げ・請求時の透明性、賃貸集合住宅における情報格差などを、個別の問題ではなく消費者が料金を理解・比較できる市場づくりとしてまとめた。その後の2017年の省令改正や取引適正化指針を読み解くうえで、2016年WGが何を問題視していたのかを確認できる原点資料。

01
料金透明化

料金を理解・比較しやすい環境整備。

02
消費者への説明

契約・料金改定・請求の説明を改善。

03
賃貸住宅

入居者の情報格差を減らす関係者連携。

04
業界改革

エネルギー間競争の中で選ばれるLPガスへ。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 料金透明化:料金を理解・比較しやすい環境整備。
  • 消費者への説明:契約・料金改定・請求の説明を改善。
  • 賃貸住宅:入居者の情報格差を減らす関係者連携。
  • 業界改革:エネルギー間競争の中で選ばれるLPガスへ。

今後の注目点

◆ 料金透明化◆ 消費者への説明◆ 賃貸住宅◆ 業界改革
報告書料金透明化料金公表賃貸集合住宅取引適正化
開催資料 ↗
第4回 2023年3月2日 7年ぶり再開。商慣行是正を正面から議論 +

7年ぶり再開。商慣行是正を正面から議論

POINT

料金透明化・取引適正化の進捗を検証し、消費者・事業者双方のヒアリングから、商慣行の構造問題を再び政策課題として俎上に載せた。

MINUTES DIGEST

議事録から読む

2016年の料金透明化議論から約7年を経て、商慣行そのものを改めて検証するために再開された回。事務局が料金透明化・取引適正化の進捗を整理する一方、消費者側からは賃貸集合住宅を中心とする料金差や商慣行への問題提起、業界側からはこれまでの取組状況が示された。議論の重心は「料金を見えるようにする」だけでは足りず、その料金を生み出している営業・設備提供・取引構造まで踏み込む必要があるのではないか、という方向へ移っていく。2023年以降の改革の再出発点となった回。

01
料金透明化の検証

2016年以降の取組がどこまで進んだかを確認。

02
消費者側の問題提起

生協等の調査から料金・商慣行の問題を可視化。

03
事業者側の認識

業界側から取引適正化の現状と課題を提示。

04
制度再検討の入口

自主対応だけで十分か、制度対応も含め再検討へ。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

浦郷委員(全国消費者団体連絡会)

賃貸集合住宅では、無償貸与された設備費が料金に含まれることを知らないまま消費者が負担しており「消費者被害」と指摘。ガス料金と設備費の完全分離に賛成し、不動産業界も含めた省庁横断の対応を求めた。

柴崎委員(栄総合法律事務所所長)

貸付配管と集合住宅の問題は分けて考えるべきで、特に事業者を選べない集合住宅が深刻と主張。入居前にガス料金を明示させ、不動産・オーナー側への規制も含めて過大な設備提供を止める必要があるとした。

豊國委員(TOKAI常務取締役)

貸付配管は液石法に基づき広く定着した制度で、個別判決を直ちに一般化して所有権を否定すれば業界に大きな混乱を招くと指摘。料金透明化などの改善は必要としつつ、制度変更は判例と事業実態を精査して慎重に進めるべきとした。

吉田委員(ニチガス代表取締役専務)

集合住宅の無償機器は自社も行っていると認めつつ、LPガス会社にも消費者にも利益がなく、各社が足並みをそろえて自粛すべきと主張。抜け駆けを防ぐには法規制や監視・制裁が必要とし、貸付配管も建物と一体のものは付合と考えるのが自然との見解を示した。

林委員(全国消費生活相談員協会エネルギー問題研究会代表)

長年の自主対応で三部料金制がほとんど普及しなかった以上、業界の自主努力だけでは限界があると指摘。三部料金制の法的義務化と、消費者が比較できる分かりやすい料金表示を求めた。

髙橋委員(テーエス瓦斯代表取締役社長)

制度改革の必要性を認め、公平なルールの下での競争を支持。一方、大多数の事業者は現行ルールに基づき営業しているとして急激な制度変更による混乱を懸念し、不動産業界を含めた実効性ある制度設計と明確な料金区分を求めた。

村田オブザーバー(全国LPガス協会専務理事)

取引適正化は重要としつつ、新たな規制では「公平性・実効性・安定性」の3点を重視すべきと主張。LPガス業界だけでなく不動産業界との連携が必要で、現行制度下の適正な取引をいたずらに混乱させないよう求めた。

橘川オブザーバー(国際大学学長)

賃貸では消費者被害、戸建てでは切替えられた事業者側の問題という構造を整理し、まず賃貸問題を優先すべきと主張。既に長年問題が続いているため移行を急ぎ、WGも数年継続して実態を監視すべきとした。

内山座長(青山学院大学教授)

再始動したWGへの社会的期待を踏まえ、料金透明化だけでなく無償貸与・貸付配管を含む商慣行そのものを議論する場として進行。第4回で出た共通認識と対立点を整理し、次回以降に具体的な改革方向を詰める流れを作った。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 2016年以降の透明化策だけでは解消できなかった商慣行が、再び政策課題として取り上げられた。
  • 消費者調査と業界側説明の双方から、賃貸住宅の料金差や取引慣行を説明できることが求められた。
  • 「業界では普通」という慣行でも、消費者利益の観点から再検証する必要性が高まった。
  • 自主改善で足りない場合には制度改正へ進む可能性を意識した経営対応が必要になった。

今後の注目点

◆ 2016年改革で残った課題をどう評価するか◆ 賃貸住宅の料金差と商慣行をどう整理するか◆ 消費者側提言を制度へどう反映するか◆ 自主対応から法規制へ踏み込むか
料金透明化取引適正化商慣行消費者調査事業者ヒアリング
開催資料 ↗ 議事録全文 ↗
第5回 2023年5月11日 賃貸集合住宅・戸建ての商慣行を具体的に分解 +

賃貸集合住宅・戸建ての商慣行を具体的に分解

POINT

賃貸集合住宅の無償機器、建売住宅の無償配管、LPガス料金情報の提供など、消費者負担につながる商慣行を具体論として整理した。

MINUTES DIGEST

議事録から読む

商慣行の問題を、賃貸集合住宅と戸建て住宅の具体的な取引へ落とし込んだ回。国土交通省の料金情報提供アンケート、TOKAIホールディングスの営業実態、日本瓦斯の「無償機器問題」「無償配管問題」などが提示され、オーナーや管理会社への設備提供・営業条件が最終的に入居者のLPガス料金へ転嫁され得る構造が正面から議論された。料金情報を入居前に届けることと、無償貸与・貸付配管などの商慣行を是正することを、別々ではなく一体の問題として扱う流れが明確になった。

01
無償機器問題

集合住宅で設備費用が料金へ転嫁される構造を検討。

02
無償配管問題

戸建て・建売住宅の配管所有・費用負担を論点化。

03
料金情報提供

入居前のLPガス料金情報をどう届けるか。

04
営業活動の実態

営業競争と消費者利益のバランスを検討。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

豊國委員(TOKAI常務取締役)

エアコン等まで拡大した無償貸与は競争上、自主規制だけでは止めにくく、ガスと無関係な設備費の料金回収は法令で禁止する方向を支持。一方、貸付配管は既存契約を守る必要があり、制度自体の見直しは事業実態を踏まえて慎重に検討すべきとした。

吉田委員(ニチガス代表取締役専務)

集合住宅の無償機器は入居者が事業者を選べないまま費用を負担する構造が問題として、無償貸与をやめる方向を提案。建売住宅の貸付配管も長期契約・高額精算金が切替えを阻害するとし、新規は建築会社とガス会社の間で精算し、消費者に負担させない仕組みを求めた。

柴崎委員(栄総合法律事務所所長)

集合住宅と戸建ての最大の違いは、消費者がガス事業者を選べるかどうかだと整理。集合住宅では三部料金制で設備投資を明示し、本来オーナーが負担すべき設備費をガス料金ではなく家賃で回収する仕組みに改めるべきと主張した。

林委員(全国消費生活相談員協会エネルギー問題研究会代表)

賃貸集合住宅では事業者を選べず、オーナー負担の設備費までガス料金で請求される状態を「消費者被害と言ってもいい」と指摘。ガイドラインでは実効性が乏しいとして法的規制を求め、料金体系も消費者が比較・選択できるシンプルな表示にすべきとした。

髙橋委員(テーエス瓦斯代表取締役社長)

過大な顧客獲得費用と過剰投資が中小事業者を疲弊させ、最終的に消費者へ負担を転嫁していることを最大の問題と指摘。集合住宅と戸建てを分けて整理し、大手事業者が率先して過大な投資を是正するよう求めた。

浦郷委員(全国消費者団体連絡会)

商慣行是正の方向性に賛成し、三部料金制は徹底ではなく義務化し、違反が割に合わない実効的な罰則を設けるべきと主張。継続的なモニタリングと、不動産業界・国交省・公取委・消費者庁を含む省庁横断の対応を求めた。

村田オブザーバー(全国LPガス協会専務理事)

過大営業を液石法で規制する方向は評価しつつ、何が許容され何が違反か明確な基準と強い執行体制が必要と主張。設備費の外出し、料金情報提供、不動産業界との連携を求める一方、貸付配管については事業者の所有権を法的に明確化する考えを示した。

橘川オブザーバー(国際大学学長)

賃貸集合住宅で現実に消費者被害が起きている以上、まず一致できた「過剰投資をしない」を直ちに実行すべきと主張。三部料金制と法令による規制を早急に進める一方、戸建ての貸付配管は賃貸と切り離して、さらに時間をかけて議論すべきとした。

内山座長(青山学院大学教授)

賃貸・戸建てを分けた商慣行是正の大きな方向性にはおおむね合意が得られたと整理。一方、三部料金制の強度、移行期間、監視・執行など細部が制度の実効性を左右するとして、議論を継続して詰める必要性を示した。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 無償機器・設備貸与の費用を誰が負担しているか、料金との関係を説明できる状態が必要になった。
  • 賃貸集合住宅ではオーナー・管理会社との営業条件が入居者料金へどう影響するかが問われた。
  • 戸建てでは無償配管・貸付配管の所有関係や切り替え時の扱いを再点検する必要が生じた。
  • 営業慣行を「獲得コスト」ではなく、消費者負担・競争条件の観点から見直す段階に入った。

今後の注目点

◆ 無償機器・設備貸与をどこまで規律するか◆ 賃貸住宅オーナーへの利益提供をどう扱うか◆ 貸付配管・無償配管をどう整理するか◆ 料金情報を入居前にどう届けるか
商慣行賃貸集合住宅オーナー管理会社無償貸与無償機器設備貸与貸付配管無償配管
開催資料 ↗ 議事録全文 ↗
第6回 2023年7月24日 商慣行是正を「制度改正」の方向へ踏み込む +

商慣行是正を「制度改正」の方向へ踏み込む

POINT

過大な営業行為の制限や、LPガス消費と関係のない設備費用を料金へ計上することの禁止など、液石法に係る制度見直しの方向性を提示した転換点。

MINUTES DIGEST

議事録から読む

第4・5回で明らかになった商慣行問題を、自主的な改善要請だけでなく制度改正へ進める方向が強まった回。焦点は、過大な営業行為をどう規律するか、LPガス消費とは直接関係しない設備費用を料金に載せる慣行をどう改めるか、賃貸住宅の入居者が料金情報を得られる仕組みをどう実効的にするかに移った。後の「過大な営業行為の制限」「三部料金制の徹底」「料金情報提供」という3本柱につながる考え方が、この段階で制度論として形を取り始めた。

01
過大な営業行為

利益供与を含む営業競争への規律を検討。

02
設備費用の計上

ガス消費と無関係な設備費を料金から切り離す方向へ。

03
賃貸住宅の実効性

入居者保護を実際に機能させる仕組みを検討。

04
制度改正方針

自主取組中心から法令による規律へ一段進む。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

林委員(全国消費生活相談員協会エネルギー問題研究会代表)

消費生活相談ではLPガスの価格・勧誘に関する相談が続き、集合住宅では高額料金、戸建てでは安値勧誘後の値上げが問題になっていると報告。ガイドラインでは守られない事業者がいる以上、より強い規制と短い移行期間が必要と主張した。

浦郷委員(全国消費者団体連絡会)

制度改正の方向には賛成しつつ、実効性確保には行政・業界・消費者団体が連携した監視が不可欠と主張。料金情報の事前提供、不動産業界への周知、公取委による再調査、大手事業者の自主適合宣言などを求めた。

吉田委員(ニチガス代表取締役専務)

賃貸集合住宅の無償機器提供はやめる方向に率先して取り組むと表明し、抜け駆けを防ぐ行政の枠組みを要求。戸建て、特に建売住宅の貸付配管も消費者の切替えを阻害するとして、新規の貸付配管をやめる方向で進めるべきと主張した。

髙橋委員(テーエス瓦斯代表取締役社長)

過大な営業行為の制限、三部料金制、料金情報提供という三つの改革を高く評価。一方、施行前の駆け込み営業や制度の抜け道を警戒し、不動産業界・地方行政との連携、既存契約の精算に関する消費者への周知を求めた。

柴崎委員(栄総合法律事務所所長)

集合住宅では入居者が事業者も料金も選べないことが最大の問題で、戸建てとは明確に分けるべきと主張。設備貸与を別名目に変えるなど抜け道はいくらでも考えられるとして、不動産・仲介業者まで含めた監視と規制を求めた。

豊國委員(TOKAI常務取締役)

過大な営業行為を規制するなら、全事業者に同じ基準を公平に適用し、通達・ガイドラインで分かりやすいルールを示すべきと主張。貸付配管は新規契約と既存契約を分け、既存契約を一律無効とすることには慎重な立場を示した。

村田オブザーバー(全国LPガス協会専務理事)

罰則を伴う制度にする以上、「正常な商慣習」のセーフ・アウトを具体的に示す必要があると主張。三部料金制でも基本料金等への付け替えという抜け道を防ぎ、不動産業界との連携、通報制度、地方行政の執行体制を整えるよう求めた。

橘川オブザーバー(国際大学学長)

改革の原点は賃貸集合住宅で現実に起きている消費者被害だと強調。三部料金制は既存契約にも早期に適用して設備費を表に出し、通報フォームによる監視と、不動産・住建メーカーまで含めた改革を進めるべきと主張した。

内山座長(青山学院大学教授)

長年ソフトローで解決できなかった結果、省令改正というハードローの段階に入ったと総括。抜け道を塞ぐ制度設計と継続的なモニタリングを求めるとともに、消費者が相場的な料金水準を共有できる市場づくりも長期課題とした。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 過大な営業行為への規律が制度改正として現実味を帯び、営業施策そのものの棚卸しが必要になった。
  • LPガス消費と無関係な設備費用を料金へ載せる慣行は、料金設計の根本的見直しにつながった。
  • 三部料金制を見据え、基本・従量・設備の各料金を社内システムで分離できる準備が重要になった。
  • オーナー等への設備提供や利益供与について、営業部門任せではなく経営管理の対象にする必要が高まった。

今後の注目点

◆ 過大な営業行為の範囲をどう定義するか◆ 設備料金をどこまで分離するか◆ 既存契約への適用をどう扱うか◆ 制度改正の施行時期と準備期間
商慣行利益供与過大な営業行為設備提供三部料金制設備料金制度改正
開催資料 ↗ 議事録全文 ↗
第7回 2023年11月22日 制度を作るだけでなく「守らせる仕組み」へ +

制度を作るだけでなく「守らせる仕組み」へ

POINT

制度改正案に加え、監視・通報・関係省庁連携など実効性確保策を具体化。改革を現場で機能させる段階へ進んだ。

MINUTES DIGEST

議事録から読む

制度改正案だけでなく、それを実際に守らせる仕組みまで踏み込んだ重要回。議事録では、無償貸与や紹介料支払い等の利益供与について、法令上の「正常な商慣習を超えて過大か」という判断と、業界として商慣行自体をなくしていく方向性が併せて議論された。また貸付配管についても、事業者切り替えを抑制し、消費者の選択や料金透明性を損ねる可能性から、将来的には解消していく方向が示された。立入検査や第三者モニタリングで判断事例を蓄積し、解釈を具体化するという考え方も示され、現在の市場監視・法執行へ直接つながる回となった。

01
制度改正案の具体化

商慣行是正の規律を法令上どう表現するか。

02
監視・通報体制

違反・不適切行為を把握する仕組みを検討。

03
関係省庁との連携

不動産・消費者行政等との連携で実効性を高める。

04
自主取組との併用

法規制と業界の自主改革を組み合わせる。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

柴崎委員(栄総合法律事務所所長)

賃貸集合住宅では入居者が契約に関与できず、高い料金を負担させられる構造こそ問題の核心と指摘。集合住宅のオーナーへの設備提供・紹介料は一切禁止すべきとする一方、戸建ては消費者自身が契約するため、集合住宅とは分けて考えるべきと主張した。

豊國委員(TOKAI常務取締役)

エアコン等の無償貸与、不当な買取価格、長期契約を条件とする紹介料などは「切替えを制限する契約」として禁止すべきと主張。事例の蓄積を待つのではなく、施行時から具体的なガイドラインを示し、消費者の事業者選択を守る基準で規制すべきとした。

髙橋委員(テーエス瓦斯代表取締役社長)

三つの改革の方向性を評価しつつ、駆け込み・抜け駆け営業を抑えるため通報フォームと行政の早期対応を重視。自主取組宣言も抽象論ではなく具体的な指針を伴うものとし、不動産業界や地方行政まで巻き込んだ実効性確保を求めた。

吉田委員(ニチガス代表取締役専務)

改革の核心は消費者の選択自由を守ることであり、「切替え制限」の禁止を最重要と主張。紹介料や過大な容器設置料等も含めた抜け道を塞ぐとともに、貸付配管も将来的な禁止へロードマップを示すべきとした。

郷野委員(全国消費者団体連絡会事務局長)

無償貸与等の費用が入居者料金へ転嫁され、事業者を選べない消費者が不利益を受ける現状を「消費者被害」と指摘。通報・監視体制の早期整備、不動産業界への周知、公取委・消費者庁を含む省庁連携と、大手事業者による率先した自主取組宣言を求めた。

村田オブザーバー(全国LPガス協会専務理事)

新ルールを機能させるには、通報案件の類型化・公表、具体的なガイドライン、地方行政を含む執行体制が必要と主張。不動産・建設業界への法的措置も検討し、貸付配管は建物所有者の所有へ移行する方向を支持した。

橘川オブザーバー(国際大学学長)

事務局案を「予想以上に踏み込んだ」と評価する一方、制度施行までの駆け込み営業を強く警戒。自主取組宣言と通報フォームを直ちに実効化し、LPガス事業者だけでなくオーナー・不動産・住建業界も対象にして「言っていることとやっていること」を検証すべきとした。

内山座長(青山学院大学教授)

制度改正前から抜け駆け営業が活発化し、水面下に潜る危険性を強く懸念。通報制度で問題行為を表に引き上げるとともに、省庁の縦割りを越えた連携と、事業者が自らの言葉で改革への取組を宣言することを求めた。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 制度改正だけでなく、監視・通報によって実際の営業行為が外部から検証される方向が明確になった。
  • 過大な営業行為の線引きが曖昧な段階でも、説明できない利益供与を避ける内部基準が必要になった。
  • 関係省庁・不動産業界との連携を前提に、LPガス業界だけの慣行では正当化できない環境になった。
  • 法令遵守に加え、通報された場合に事実関係を示せる記録・承認プロセスの整備が重要になった。

今後の注目点

◆ 利益供与の線引きをどこまで具体化するか◆ 通報情報を監視・法執行へどう使うか◆ 関係省庁連携をどう機能させるか◆ 既存契約・設備提供をどう移行させるか
制度改正市場監視モニタリング通報通報フォーム関係省庁連携実効性確保
開催資料 ↗ 議事録全文 ↗
第8回 2024年1月29日 「3つの改革」を中間とりまとめ案へ +

「3つの改革」を中間とりまとめ案へ

POINT

過大な営業行為の制限、三部料金制の徹底、LPガス料金等の情報提供を柱とする制度見直しと、監視・通報等の実効性確保策を中間とりまとめ案として整理した。

MINUTES DIGEST

議事録から読む

それまでの議論を「中間とりまとめ案」として集約した回。改革の柱は、過大な営業行為の制限、三部料金制の徹底、LPガス料金等の情報提供の3つに整理され、同時に関係省庁・不動産業界等への協力要請や、監視・通報を含む実効性確保策が議論された。単に悪質な事例を取り締まるのではなく、オーナー等への利益供与が入居者料金へ転嫁される構造そのものを変え、消費者がLPガス事業者を選択しやすい市場へ転換するという政策目的が明確になった。

01
過大な営業行為の制限

利益供与を背景とした商慣行に規律を導入。

02
三部料金制の徹底

基本・従量・設備料金を明確化し、設備費用の外出し表示・計上禁止へ。

03
料金情報の提供

賃貸住宅等で契約前に料金情報を届ける仕組み。

04
実効性確保

通報フォーム、関係省庁連携、自主取組宣言、公開モニタリング。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

柴崎委員(栄総合法律事務所所長)

最大の問題は、賃貸集合住宅の入居者が高い料金を知らずに入居し、事業者も選べないことだと指摘。オーナー・不動産業者への設備貸与や紹介料は厳しく規制すべき一方、戸建ては消費者自身が契約するため、集合住宅と同じ規制を一律にかけるべきではないとした。

郷野委員(全国消費者団体連絡会事務局長)

入居前のLPガス料金情報は努力義務ではなく義務化すべきと主張。通報情報の公開モニタリング、自治体を含む執行体制強化、不動産会社への規制や宅建業法の重要事項説明への料金・設備費用の追加など、省庁横断での実効性確保を求めた。

豊國委員(TOKAI常務取締役)

問題の本質は無償貸与そのものより、それによって事業者変更が固定化され高い料金を可能にすることだと整理。エアコン等の無償貸与、高額な買取条件、長期継続を条件とする紹介料などを「切替えを制限する契約」として明確に禁止すべきと主張した。

吉田委員(ニチガス代表取締役専務)

消費者保護と低廉な料金を改革の目的に据え、無償機器をやめた原資を料金低廉化へ回すべきと主張。利益供与額の線引きより「切替え制限」を禁止することが重要で、貸付配管も建物と配管の所有者を一致させる方向へ進めるべきとした。

髙橋委員(テーエス瓦斯代表取締役社長)

三つの改革の方向性を評価し、特に入居希望者から求められた料金情報の提供義務化に賛成。制度を実効あるものにするには、大手・地域有力事業者が率先して自主取組宣言を行い、業界全体の意識改革を進めることが重要とした。

村田オブザーバー(全国LPガス協会専務理事)

制度改正を実際に機能させるため、国・地方経産局・都道府県の監視・執行体制と、セーフ・アウトが分かる具体的なガイドラインを求めた。通報事例の匿名公表、自主取組宣言の推進、省庁間連携、貸付配管のロードマップにも賛同した。

橘川オブザーバー(国際大学学長)

改革の方向性には賛成しつつ、「言っていることとやっていることを一致させる」ことを強く要求。自主取組宣言は大手を待たず直ちに始め、ガイドラインも当初から厳しめに設定して違反事例を積み上げるべきとし、国交省側の取組強化も求めた。

内山座長(青山学院大学教授)

中間取りまとめを一つの区切りとしつつ、制度改正後もWGを継続して市場を監視する方針を確認。省庁横断の連携とともに、大手だけでなく地域で信頼を得ている事業者も率先して自主取組宣言を行うことに期待を示した。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 過大な営業行為の制限、三部料金制、料金情報提供という改革の柱が明確になった。
  • 設備料金を含む料金体系の再設計と、請求・顧客管理システムの改修が具体的な経営課題になった。
  • 賃貸住宅では契約前の料金情報提供を前提としたオーナー・管理会社との運用整備が必要になった。
  • 通報・自主取組・市場監視まで含め、制度対応をコンプライアンス部門だけでなく全社運用へ落とす必要が生じた。

今後の注目点

◆ 三部料金制の詳細ルールと施行時期◆ 過大な営業行為の判断基準◆ 賃貸住宅の料金情報提供の実務◆ 通報・自主取組・市場監視の運用設計
利益供与過大な営業行為三部料金制設備料金料金情報賃貸集合住宅市場監視中間とりまとめ
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中間とりまとめ 2024年4月19日 商慣行是正の対応方針を正式に中間とりまとめ +

商慣行是正の対応方針を正式に中間とりまとめ

POINT

第4〜8回の議論を受け、過大な営業行為の制限、三部料金制の徹底、LPガス料金等の情報提供を柱とする改革方針を正式文書として整理した。

MINUTES DIGEST

政策文書から読む

第4〜8回の商慣行是正議論を正式な政策方針として集約した文書。背景には、無償貸与や貸付配管といった商慣行によって、設備費用がLPガス料金へ転嫁され、消費者が不利益を受け得る構造がある。対応方針は、過大な営業行為の制限、三部料金制の徹底、料金情報提供を制度見直しの柱とし、さらに通報フォーム、関係省庁連携、公開モニタリングなどで実効性を確保するというもの。2024年以降の制度改革を理解する際の中心文書。

01
過大な営業行為

利益供与を背景とした営業競争に規律を設ける。

02
三部料金制

基本・従量・設備料金を明確にし、設備費用の扱いを適正化。

03
料金情報提供

賃貸集合住宅等で契約前の料金情報提供を促進。

04
実効性確保

監視・通報・関係省庁連携・自主取組を組み合わせる。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 過大な営業行為の制限、三部料金制、料金情報提供という改革の柱が明確になった。
  • 設備料金を含む料金体系の再設計と、請求・顧客管理システムの改修が具体的な経営課題になった。
  • 賃貸住宅では契約前の料金情報提供を前提としたオーナー・管理会社との運用整備が必要になった。
  • 通報・自主取組・市場監視まで含め、制度対応をコンプライアンス部門だけでなく全社運用へ落とす必要が生じた。

今後の注目点

◆ 三部料金制の詳細ルールと施行時期◆ 過大な営業行為の判断基準◆ 賃貸住宅の料金情報提供の実務◆ 通報・自主取組・市場監視の運用設計
中間とりまとめ利益供与過大な営業行為三部料金制設備料金料金情報市場監視通報
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第9回 2024年5月20日 改正省令公布後、ガイドライン整備と周知へ +

改正省令公布後、ガイドライン整備と周知へ

POINT

4月2日の改正省令公布と4月19日の中間とりまとめを受け、業界対応、ガイドライン等の整備、不動産・建設業界への周知を具体化した。

MINUTES DIGEST

議事録から読む

改正省令の公布と中間とりまとめを受け、議論は制度の趣旨を現場でどう運用するかへ移った。全国LPガス協会から業界対応が示され、事務局からはガイドライン等の整備、不動産・建設関係団体への周知が提示された。議事録では、利益供与の対象が無償貸与だけに限られず、安値提供、フリーメンテナンス、紹介料等の名目による金銭提供なども含み得るという考え方が具体化していく。制度改正の条文だけでは判断しにくい営業実務を、ガイドラインと行政解釈によって明確にしていく段階に入った回。

01
制度改正への業界対応

全国LPガス協会から制度改正への対応状況を確認。

02
ガイドライン整備

改正省令を現場で運用するための解釈・指針を具体化。

03
不動産業界への周知

国交省を通じ不動産・建設関係団体へ制度改正を周知。

04
施行への準備

制度を現場実務へ落とし込む段階へ移行。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

髙橋委員(テーエス瓦斯代表取締役社長)

自主取組宣言を業界全体に広げ、「正直者がばかを見る」状態をなくすことが重要と主張。駆け込み営業や違反行為には、都道府県を含む行政がペナルティーも視野に厳しく指導すべきとした。

柴崎委員(栄総合法律事務所所長)

改革の原点は賃貸集合住宅の入居者保護であり、集合住宅と戸建てを同じ基準で扱うべきではないと主張。集合住宅のオーナーへの利益供与は厳しく規制する一方、戸建ての設備貸与まで一律に制限することには慎重な立場を示した。

郷野委員(全国消費者団体連絡会事務局長)

通報フォームの内容を継続的に分析・公開し、自治体の検査マニュアルや人員を含む監視・執行体制を強化するよう要求。自主取組宣言をした事業者が不利益を被らない仕組みと、入居前の料金情報提供の徹底も求めた。

吉田委員(ニチガス代表取締役専務)

過大な利益供与を抑えるうえで、長期間の契約による「切替え制限」をなくすことが重要と主張。切替えが自由になれば過大な利益供与は回収できず自然に抑制されるとし、貸付配管も早期に禁止を明確化すべきとした。

中野委員(TOKAI)

改正省令公布後は、疑念を持たれる過大な営業行為を全社で行わない方針を説明。今後示される具体的事例については、企業規模や委員企業かどうかに左右されず、公平・公正な基準で判断するよう求めた。

村田オブザーバー(全国LPガス協会専務理事)

ガイドラインに加え、通報事例やQ&Aをデータベース化して具体的な判断材料を増やすべきと主張。自主取組宣言の実効性を高め、施行後の問題事例には速やかな立入検査を行うなど、行政の執行力強化を求めた。

橘川オブザーバー(国際大学学長)

自主取組宣言の広がりを評価し、不動産業界にも同様の宣言を求めるべきと提案。ガイドラインは当初は厳しめに設定し、通報・判断事例を積み重ねながら例外を加える方式とし、不動産側への国交省の指導も強化すべきとした。

内山座長(青山学院大学教授)

施行前の駆け込み営業が相次いでいる状況から、ガイドラインは一定程度厳しくする必要があるとの認識を示した。制度施行後の実態を継続的に把握し、問題が解決するかを検証しながら必要な見直しを続けるべきと整理した。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 改正省令公布後、事業者は制度の趣旨をガイドライン・運用解釈まで含めて実務へ落とす段階に入った。
  • 不動産・建設関係者にも制度改正が周知され、従来の営業条件を業界慣行だけで説明することが難しくなった。
  • 料金・営業・契約・システムの各部門で施行日から逆算した対応計画が必要になった。
  • パブリックコメントへの行政回答も含め、グレーゾーンの解釈を確認する重要性が高まった。

今後の注目点

◆ ガイドラインでグレーゾーンをどこまで明確化するか◆ 不動産・建設業界への周知が現場まで届くか◆ 施行前の事業者対応にばらつきが出ないか◆ 行政解釈を社内規程へどう落とし込むか
制度改正ガイドライン取引適正化指針不動産建設賃貸集合住宅実効性確保
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第10回 2024年11月20日 市場監視・モニタリングを制度改革の次の柱へ +

市場監視・モニタリングを制度改革の次の柱へ

POINT

ガイドライン等の改正概要を確認するとともに、市場監視・モニタリングのあり方と自主取組宣言を議論。制度の「施行」から「監視」へ重点が移った。

MINUTES DIGEST

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制度改正の準備から、市場監視・モニタリングによって実態を検証する段階へ移った回。ガイドライン等の改正概要、自主取組宣言、市場監視のあり方が主要テーマとなった。議論では、紹介料やボンベ置場の賃借料等も利益供与になり得ること、値上げを前提とした安値提示、高額な違約金や貸与設備の買取条項など、消費者の事業者選択を妨げる具体的な取引にも目が向けられた。制度を形式的に守るだけではなく、営業・契約の実態を継続的に監視し、問題事例を蓄積して運用を具体化する考え方が鮮明になった。

01
ガイドライン改正

取引適正化指針・運用解釈の改正内容を確認。

02
市場監視

制度が現場で守られているか継続的に把握する仕組みを議論。

03
自主取組宣言

事業者自身による商慣行是正の宣言を可視化。

04
実効性の検証

規制・自主取組・モニタリングを組み合わせて改革を定着。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

柴崎委員(栄総合法律事務所所長)

改革の原点は、賃貸集合住宅で入居者が事業者を選べず不利益を負う構造にあると強調。集合住宅と戸建てを明確に分け、集合住宅のオーナーへの利益供与は原則認めず、既存契約や契約承継を含め抜け道のない基準を示すべきと主張した。

髙橋委員(テーエス瓦斯代表取締役社長)

余計な利益供与をやめ、その原資を安いガス料金として消費者に還元することが改革の本旨と主張。制度施行後もグレーな営業が残るとして、通報案件への行政指導や公表など、目に見える対応を強く求めた。

藤本委員(長島・大野・常松法律事務所弁護士)

通報事例を一つずつ判断し、基準を明確化してガイドラインへ反映する積み重ねが重要と指摘。支払猶予など形式を変えただけの利益供与は実質で判断し、オーナーへの紹介料は消費者への還元やロックインの観点から慎重に評価すべきとした。

郷野委員(全国消費者団体連絡会事務局長)

LPガス事業者だけの取締りでは不十分として、不動産業界・消費者庁・公取委との連携強化を要求。通報後の対応を見える化して「通報してよかった」と思える制度にし、自主取組宣言や三部料金制の準備状況も継続監視すべきとした。

吉田委員(ニチガス代表取締役専務)

過大な利益供与の禁止と並び、長期間の契約による「切替え制限」をなくすことが改革の核心と主張。利益供与の評価も切替えを実質的に妨げるかで判断し、正当な価格・サービス競争まで制限すべきではないとした。

村田オブザーバー(全国LPガス協会専務理事)

「正直者がばかを見る」状態を防ぐには、通報案件への報告徴収・立入検査など厳格な法執行が必要と主張。法の網をかいくぐる脱法行為を具体例として明示し、制度趣旨に照らして一つずつ穴を塞ぐべきとした。

内山座長(青山学院大学教授)

施行後も約700件の通報があり、利益供与を中心にグレーゾーンや制度の穴が残っていると指摘。第10回を市場監視・モニタリングの本格的な出発点と位置付け、個別事例を積み上げながら議論を深める必要があると整理した。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 制度対応は「準備したか」から「実際に守られているか」を市場監視で確認される段階へ移った。
  • 自主取組宣言は対外公表だけでなく、自社の営業・料金運用との整合性が問われる材料になった。
  • 通報・モニタリングを前提に、不適切な取引を早期発見できる内部統制が重要になった。
  • ガイドライン・運用解釈の改正を継続的に社内規程へ反映する体制が必要になった。

今後の注目点

◆ 市場監視で何を指標として見るか◆ 自主取組宣言の実質をどう評価するか◆ 通報情報をどう分析・活用するか◆ ガイドライン違反と法令違反の境界
ガイドライン市場監視モニタリング自主取組宣言通報実効性確保
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第11回 2025年3月19日 宣言から実行へ。事業者の取組状況を直接検証 +

宣言から実行へ。事業者の取組状況を直接検証

POINT

約30の主要LPガス販売事業者への調査を踏まえ、商慣行是正の組織体制や関係者対応を検証。事業者ヒアリングと三部料金制施行準備へ進んだ。

MINUTES DIGEST

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自主取組宣言を掲げた事業者が、実際にどのような組織体制・営業運用で商慣行是正を進めているかを検証する回となった。主要販売事業者約30者への調査では、社内規則、研修、監査、消費者への料金提示、賃貸住宅オーナー・管理会社等への対応などが確認対象となった。さらに事業者ヒアリングを通じて、宣言の内容と現場実務が一致しているかを市場監視の視点から確認。三部料金制の施行を目前に、制度対応を「方針」から「実装」へ移すことが強く求められた。

01
事業者調査

自主取組宣言が実際の社内体制・運用に落ちているかを確認。

02
事業者ヒアリング

ENEOSグローブエナジー、サイサン等の取組を検証。

03
関係者との信頼構築

消費者・賃貸住宅オーナー・管理会社等への対応を確認。

04
三部料金制施行準備

新たな料金規律の施行に向け実務課題を整理。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

髙橋委員(テーエス瓦斯代表取締役社長)

制度改正で「タダ」に頼る営業から正常な商売へ変わり、社員のプライド向上につながったと評価。一方、ブローカー等による抜け駆けや違反・脱法営業はなお残るとして、通報情報を活用した厳しい監視・指導を求めた。

郷野委員(全国消費者団体連絡会事務局長)

制度改正後も不透明な取引が残るとして、通報フォームの活用状況や行政対応を速やかに可視化するよう要求。紹介料・支払猶予など新たな利益供与への監視、不動産業界や消費者庁との連携強化も求めた。

吉田委員(ニチガス代表取締役専務)

最も重要なのは「切替えの自由」を徹底し、長期契約で事業者変更を実質的に制限しないことだと主張。過大な利益供与は是正しつつも、コストダウンによる安値販売など正当な価格・サービス競争まで妨げるべきではないとした。

藤本委員(長島・大野・常松法律事務所弁護士)

賃貸集合住宅のオーナー等への利益供与をより厳しく評価する事務局方針は合理的と評価。金額の大小だけでなく、消費者への還元、ロックイン効果、他業界の商慣行、取引の合理性などを総合して判断すべきと整理した。

柴崎委員(栄総合法律事務所所長)

改正前の既存契約を有効なまま残すことが、切替えや料金低減を阻害する可能性を問題視。オーナーへの利益供与は否定しつつ、既存契約をどう処理するかを整理しなければ改革の抜け道が残ると指摘した。

橘川オブザーバー(国際大学学長)

自由競争そのものではなく、消費者被害を生む競争の「やり方」が問題だと強調。通報の多い事業者・物件の可視化や、他業界には見られないブローカーへの規制を進め、改革の手綱を緩めるべきではないと主張した。

村田オブザーバー(全国LPガス協会専務理事)

宣言や自主取組だけでなく、現場で本当に守られているかを立入検査等で確認すべきと主張。脱法的な利益供与やブローカー問題に対し、国・経産局・都道府県で執行の濃淡が出ない監視体制と積極的な立入検査を求めた。

内山座長(青山学院大学教授)

オーナーへの利益供与を厳しく評価するなど、事務局が示した取締方針は大筋で了承されたと整理。一方、既存契約、問題事業者の特定、自由競争との境界など課題は残るとして、まず取引市場の信頼性を取り戻すことを優先すべきと総括した。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 主要事業者へのヒアリングを通じ、自主取組宣言が実際の組織・営業運用に反映されているかが検証対象になった。
  • 三部料金制施行を前に、料金表示・請求システム・顧客説明の最終点検が必要になった。
  • 賃貸集合住宅の料金情報提供では、不動産・管理会社との具体的な情報連携が重要になった。
  • 市場監視資料を自社のセルフチェックに使い、同業他社との運用差を把握する意味が大きくなった。

今後の注目点

◆ 三部料金制施行直前の準備状況◆ 事業者ヒアリングで見える優良・問題事例◆ 賃貸住宅への料金情報提供の実効性◆ 自主取組宣言と実際の営業行為の整合性
自主取組宣言事業者ヒアリング商慣行是正三部料金制設備料金市場監視モニタリング
開催資料 ↗ 議事録全文 ↗
第12回 2025年6月23日 三部料金制の施行状況を検証し、商慣行改革を実装段階へ +

三部料金制の施行状況を検証し、商慣行改革を実装段階へ

POINT

三部料金制の徹底に係る規律の施行状況、賃貸集合住宅オーナー等の認知、事業者の取組、自主取組宣言の公表状況を確認した。

MINUTES DIGEST

議事録から読む

三部料金制の規律が施行された後、実際の料金表示・請求・商慣行にどう反映されているかを確認する段階に入った回。事務局から施行状況、賃貸集合住宅オーナー等の制度認知度が示され、TOKAIと日本瓦斯から具体的な取組事例が報告された。自主取組宣言の公表状況も継続して確認され、制度への対応状況が事業者間で比較可能になっていく。改革は「新しいルールを作る」段階を終え、現場への定着、認知度、抜け道の有無をモニタリングするフェーズへ移った。

01
三部料金制の施行状況

新規律が料金表示・請求実務にどう反映されたかを検証。

02
認知度の確認

賃貸集合住宅オーナー等への制度改正の浸透度を調査。

03
事業者の実践

TOKAI、日本瓦斯の取組事例から現場実装を確認。

04
自主取組宣言

宣言公表状況を継続的に可視化し、市場監視へ活用。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

柴崎委員(栄総合法律事務所所長)

三部料金制は、賃貸集合住宅の入居者に設備費を負担させないための手段であり、本質はオーナーへの利益供与をなくすことだと主張。既存契約を残したままでは改革効果が限定されるとして、ブローカーや紹介料も含めた厳格な規制を求めた。

吉田委員(ニチガス代表取締役専務)

新規の無償貸与やオーナー等への金銭的供与は行わず、委託先にも法令順守を徹底すると説明。長期の切替え制限をなくし、料金・サービス・コスト競争で選ばれる市場を目指すべきとし、貸付配管問題も早期に解決すべきと主張した。

郷野委員(全国消費者団体連絡会事務局長)

三部料金の名称や設備料金の算定根拠を分かりやすくし、消費者への説明責任を徹底するよう要求。不動産業界への周知、自主取組宣言の拡大、通報情報と行政対応の可視化も求めた。

藤本委員(長島・大野・常松法律事務所弁護士)

三部料金の「表示」は既存契約にも適用される一方、設備費用の「計上禁止」は既存契約に直ちには適用されないと法的に整理。設備料金0円の場合も合理的な説明が必要で、実際の貸与設備に応じた透明な算定が重要と指摘した。

髙橋委員(テーエス瓦斯代表取締役社長)

制度改正で過大な営業行為は減ったと評価する一方、委託営業やブローカー、行政が対応しにくいグレーな行為はなお残ると指摘。協会と行政が現場に踏み込み、問題事業者への実効的な指導を強めるよう求めた。

橘川オブザーバー(国際大学学長)

改革の原点は賃貸集合住宅の消費者被害にあると強調。ブローカー問題は通常の委託営業と分けて扱い、不動産・宅建業法や保安行政まで含めた対応が必要とし、貸付配管問題も引き続き重要課題と位置付けた。

村田オブザーバー(全国LPガス協会専務理事)

表面的には過大営業が減っても、精算代金の肩代わり、無償貸与継続、守秘義務契約など水面下の行為が残っていると指摘。「正常な商慣習」だけでは線引きが曖昧として、具体的な判断基準と国・地方を通じた統一的な執行体制を求めた。

内山座長(青山学院大学教授)

制度や事業者の取組は進んだ一方、ブローカー・委託営業と不動産業界を巡る構造的な問題がなお残っていると総括。善意のミスと悪意ある行為を分け、後者には実効的な監視・是正が必要との認識を示した。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 三部料金制は施行後の実態まで確認され、形式的な表示変更だけでは不十分な段階に入った。
  • 賃貸集合住宅オーナー等の認知度も調査対象となり、取引先への制度説明そのものが実効性に直結した。
  • TOKAI・日本瓦斯などの事例から、各社の具体的な商慣行是正策が比較される環境になった。
  • 自主取組宣言の公表状況が可視化され、未対応・対応の遅れが対外的に認識されやすくなった。

今後の注目点

◆ 三部料金制が実際の請求に定着するか◆ 設備料金の扱いに抜け道が生じないか◆ オーナー・管理会社の認知度が上がるか◆ 市場監視・自主取組宣言をどう次の法執行へつなぐか
三部料金制設備料金自主取組宣言市場監視モニタリング賃貸集合住宅オーナー認知度
開催資料 ↗ 議事録全文 ↗
第13回 2026年7月22日 制度の「次の段階」は、禁止規定を実際に執行できる判断基準づくり +

制度の「次の段階」は、禁止規定を実際に執行できる判断基準づくり

POINT

改正省令の全面施行後も残る過大な営業行為に対し、「正常な商慣習を超えた利益供与」などの判断基準を、より具体化する方向で議論が進んだ。

01
過大な利益供与の基準

賃貸住宅オーナー等への利益供与について、金額上限を含む具体的基準が論点。

02
料金改定の透明性

分かりにくい料金改定や説明不足への対応を検討。

03
切り替え制限と貸付配管

事業者変更を妨げる行為と貸付配管を巡る対応を議論。

04
LPガス需給と中東情勢

国内需給と中東情勢が調達・供給へ与える影響も確認。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

髙橋委員(テーエス瓦斯代表取締役社長)

通報フォームの結果や行政対応をもっと公表し、グレーな営業行為への監視・取締りを強化すべきと主張。利益供与の金額規制より、切替え制限をなくすことが過大な営業競争の抑制に有効とし、不透明な値上げも大きな問題と指摘した。

郷野委員(全国消費者団体連絡会事務局長)

賃貸集合住宅のオーナー等への利益供与は、消費者料金への転嫁や選択の自由を損なうため、金額にかかわらず一切行わない方向が望ましいと主張。料金改定理由の明確化、長期契約・高額違約金への基準設定、監視・指導の強化も求めた。

吉田委員(ニチガス代表取締役専務)

貸付配管は約束どおり廃止へ進めるべきと主張。一方、利益供与を一律禁止すると都市ガス・オール電化との競争条件に差が出るとして、利益供与額を直接縛るより切替え制限を徹底的になくし、自由競争によって過大な利益供与を抑えるべきとの考えを示した。

藤本委員(長島・大野・常松法律事務所弁護士)

「正常な商慣習」だけでは行政も事業者も判断しにくいため、他制度を参考に金額等の具体的基準を設けることには合理性があると主張。ただし消費者本人への利益供与とオーナーへの利益供与は、消費者への還元の有無が違うため分けて考えるべきとした。

村田オブザーバー(全国LPガス協会専務理事)

「正直者がばかを見る」市場にしてはならないとして、通報情報を使った違法・脱法営業への厳格な対応を要求。紹介料・無償貸与・フリーメンテナンス等を含め、どこまで許容され、どこから違反なのかを行政が明確に示すべきと主張した。

橘川オブザーバー(国際大学学長)

WGの原点は賃貸集合住宅の消費者被害であり、軽度でも利益供与を認めれば再び被害の温床になると指摘。「グレーに線を引く」のではなく「白だけにする」として、オーナー等への利益供与は一切認めないと主張した。

内山座長(青山学院大学教授)

自由競争の中で消費者不利益が積み上がった以上、一定の規制と明確な基準が必要との認識を提示。ただし、利益供与をゼロにするのか上限を設けるのかは結論を出さず、継続審議と整理した。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 「正常な商慣習」の判断基準が次の制度運用上の焦点となり、利益供与を社内で定量的に管理する必要性が高まった。
  • 紹介料等の利益供与について、営業部門ごとの判断ではなく全社共通の基準を持つことが重要になった。
  • 料金改定の説明、残存価額、貸付配管、違約金など、契約実務全体が市場監視の対象になってきた。
  • 制度の形式的な遵守から、行政が指導・監督できる具体的な判断基準づくりへ政策の重点が移った。

今後の注目点

◆ 利益供与について客観的な金額基準を設定するか◆ オーナー等への利益供与を全面禁止とするか上限規制とするか◆ 料金改定理由・算定根拠をどこまで具体化するか◆ 残存価額・貸付配管・切替制限をどう整理するか
利益供与紹介料過大な営業行為正常な商慣習料金透明化料金改定貸付配管切り替え制限市場監視法執行安定供給中東情勢
開催資料 ↗
第14回 2026年9月14日 利益供与に具体的な上限案。「正常な商慣習」の線引きへ +

利益供与に具体的な上限案。「正常な商慣習」の線引きへ

POINT

利益供与について、戸建住宅等の一般消費者は2万円、オーナー・管理会社等は2,500円、集合住宅は2,500円×家庭用消費者戸数とする具体的な上限案を提示。料金改定、残存価額、契約承継、切替制限についても基準明確化を進めた。

MINUTES DIGEST

開催資料から読む

第14回では、改正省令を実際に執行するための「基準明確化」が大きく前進した。最大の焦点となった「正常な商慣習」の水準について、家庭用消費者への利益供与は、消費設備の設置施設等と所有者が同一の場合は2万円、異なる場合は2,500円、集合住宅では2,500円×家庭用消費者戸数とする具体的な上限案が示された。利益には紹介料だけでなく、期間を定めた割引料金、物品、お中元・お歳暮、フリーメンテナンス、LPガスボンベ置場の賃借料なども含む。一方、賃貸集合住宅等のオーナー等への利益供与については、過大かどうかにかかわらず一切行わない方向で取り組むことが望ましいとの従来方針を維持しつつ、一定の基準を設け、まず過大な利益供与への取締りを強化する考え方が示された。また、不透明な料金改定、最高裁判決を踏まえた残存価額・消費配管、既存契約の承継・変更、事業者切替制限についても具体的な整理案が提示され、制度改革は抽象的な規範から行政が執行可能な判断基準を作る段階へ進んだ。

01
利益供与に具体的な上限案

戸建住宅等の一般消費者は2万円、オーナー・管理会社・仲介会社等は2,500円。集合住宅は2,500円×家庭用消費者戸数とする案を提示。

02
利益供与の範囲を明確化

紹介料だけでなく、期間を定めた割引料金、物品、お中元・お歳暮、フリーメンテナンス、ボンベ置場賃借料などの経済的利益を対象とする。

03
最高裁判決を制度運用へ反映

残存価額請求には三部料金制、設備料金の支払根拠・期間・金額の明示、経過年数に基づく説明可能な適正な算定を要求。建物に付合した消費配管は建物所有者に帰属するとの整理を提示。

04
契約承継・切替ルールを具体化

既存契約でも契約者変更、自動更新、主たる内容の変更等は新規契約として改正省令を適用する方向を提示。切替制限となる長期契約・違約金についても適正化を進める。

WHO SAID WHAT

話者ごとの主張

第14回WGで意見が分かれた論点を、発言者ごとに整理。

吉田委員(ニチガス代表取締役専務)

賃貸住宅のオーナー等への利益供与は一律0円を主張。戸建て消費者への値引き等は認めつつ、家庭用LPガスの契約期間による縛りは料金競争・事業者切替を妨げるため禁止すべきとした。

郷野委員(全国消費者団体連絡会事務局長)

利益供与の原資は最終的に消費者料金になると指摘。上限額が事実上の許容額にならないよう、将来的な利益供与ゼロへの道筋と、不動産業界を含む関係省庁の連携強化を求めた。

藤本委員(長島・大野・常松法律事務所弁護士)

利益供与ゼロが望ましいとしつつ、現行法上は行政執行のため具体的な金額基準にも合理性があるとの立場。契約期間そのものより、高額な中途解約金を問題視した。

村田オブザーバー(全国LPガス協会専務理事)

理想は利益供与ゼロでも、現場の混乱をなくすためセーフ・アウトを示す金額基準が必要と主張。地方・山間部等の供給継続も考慮し、契約期間の一律禁止には慎重。

橘川オブザーバー(国際大学学長)

2万円・2,500円の上限は「そこまでは許される」と受け取られかねないと批判。利益供与ゼロ、契約期間の縛りなしという従来の改革方向を維持すべきと主張した。

高橋委員(テーエス瓦斯代表取締役社長)

利益供与ゼロを理想としつつ、上限設定は現実の商慣行を是正するための段階的措置と捉える立場。過度な契約縛りには反対しながら、地方供給など事業実態への配慮も求めた。

内山座長(青山学院大学教授)

料金改定・残存価額・契約承継の3論点は基本方向を了承。利益供与と契約期間は、最終目標より「そこへどう持っていくか」が争点と整理し、継続審議とした。

経営・実務

LPガス事業者への影響

  • 利益供与の判断が抽象論から金額基準へ進み、営業部門は紹介料・物品・役務・割引等を金額換算して管理する必要性が一段と高まった。
  • 賃貸集合住宅では2,500円×戸数という上限案が示された一方、オーナー等への利益供与自体を一切行わない方向が望ましいという政策方針は維持されている。
  • 料金値上げでは、原料・仕入価格によるものと各販売事業者固有の経費増によるものを区分し、算定根拠まで説明できる料金管理が求められる。
  • 残存価額、消費配管、契約更新・承継、違約金について、契約書・14条書面・営業実務を一斉に点検する必要性が高まった。

今後の注目点

◆ 2万円・2,500円という利益供与上限案が最終的にどのような基準として確定するか◆ 賃貸集合住宅等への利益供与を将来的に全面的に行わない方向へ進めるのか◆ 紹介料・割引・物品・フリーメンテナンス等をどのように金額換算し監視するか◆ 契約期間・違約金・残存価額を含む切替制限の基準がどこまで具体化されるか
利益供与紹介料正常な商慣習利益供与上限2万円2500円賃貸集合住宅オーナー管理会社仲介会社料金改定三部料金制残存価額最高裁判決消費配管契約承継自動更新切替制限違約金市場監視法執行
開催資料 ↗
POLICY VOICES

主要人物の主張を時系列で追う

人物を選ぶと、その主張がどの回でどう変化したかを時系列で確認できます。

吉田委員|切替え自由を軸に一貫

第4回|2023.3

集合住宅の無償機器提供はLPガス会社にも消費者にも利益をもたらさないとして、各社が足並みをそろえてやめるべきと主張。自主規制だけでは抜け駆けが起きるため、法規制・監視・制裁まで必要との考えを示した。

第5–8回|2023–24

貸付配管や長期契約など「切替えを妨げる仕組み」を問題の中心に据え、消費者が自由に事業者を替えられる市場を重視。無償貸与をやめた原資は料金低廉化へ回すべきとも主張した。

第9–11回|2024–25

利益供与の金額を直接縛るより、切替え制限をなくせば過大な利益供与は回収できず自然に抑制されるとの考えを明確化。正当な価格・サービス競争は残すべきとした。

第13–14回|2026

賃貸オーナー等への利益供与はゼロを主張する一方、自ら事業者を選べる戸建て消費者への値引き等は競争として認める立場を明確化。家庭用の期間縛りは料金競争・事業者切替えを妨げるため禁止すべきと整理した。

橘川武郎氏|消費者被害を改革の原点に

第1–3回|2016

旧WG座長として、輸入価格低下が小売価格に十分反映されない問題を提起。電力・都市ガス自由化を見据え、料金透明化と消費者が比較して選べる市場づくりを議論の軸に据えた。

第4–6回|2023

再始動後はオブザーバーとして、賃貸集合住宅で入居者が事業者を選べず高い料金を負担する構造を改革の原点と位置付けた。自主努力だけでは足りないとして法令による実効的な規制を要求。

第7–12回|2023–25

制度施行前後の駆け込み営業や抜け道を警戒し、通報フォーム、自主取組宣言、厳しめのガイドラインを重視。LPガス事業者だけでなく不動産・住建側への対応強化も継続して主張。

第13–14回|2026

利益供与に金額上限を設けると「そこまでは許される」という新たな商慣行になりかねないと批判。「グレーに線を引く」より、オーナー等への利益供与ゼロを明確に主張した。

郷野委員|消費者負担と不動産側まで見る

第7–9回|2023–24

無償貸与等の費用が、事業者を選べない入居者の料金へ転嫁される構造を問題視。通報・監視、不動産業界への周知、国交省・消費者庁等を含む省庁横断の連携を要求。

第10–12回|2024–25

通報を集めるだけで終わらせず、行政指導・是正を可視化して「通報してよかった」と思える制度にするよう要求。紹介料や支払猶予など形を変えた利益供与にも警戒。

第13–14回|2026

利益供与の原資は最終的に消費者料金になると指摘し、受益しない入居者が負担する構造を問題視。上限が許容額として固定化されないよう、ゼロへの道筋と関係省庁連携を求めた。

藤本委員|法執行できる明確な基準を重視

第10–11回|2024–25

通報事例を積み上げ、形式ではなく取引の実質で判断するガイドライン整備を重視。利益供与は金額だけでなく、消費者還元、ロックイン効果、取引の合理性などを総合評価すべきと整理。

第12回|2025

三部料金制の「表示」と設備費用の「計上禁止」は適用範囲が異なると法的に整理。既存契約を含め、設備料金0円の場合も合理的に説明できる透明な算定が必要と指摘。

第13–14回|2026

利益供与ゼロを目指す方向には理解を示しつつ、現行法が「正常な商慣行を超える利益供与」を規制する以上、行政執行と事業者の予見可能性のため具体的な金額基準には合理性があると主張。

村田オブザーバー|セーフ/アウトの明確化を要求

第4–6回|2023

制度改革では公平性・実効性・安定性を重視し、不動産側も含むルール形成を要求。罰則を伴う以上、「正常な商慣習」のセーフ/アウトを具体的に示す必要があると主張。

第7–12回|2023–25

通報事例の類型化・公表、具体的ガイドライン、立入検査を一貫して要求。水面下の抜け道・脱法営業も含め、国・経産局・都道府県で執行に濃淡が出ない体制を重視。

第13–14回|2026

理想として利益供与ゼロを共有しつつ、現場にはセーフ/アウトの境界が必要として具体的上限に実務的意義を認めた。地方・山間部等の供給継続も考慮し、契約期間の一律禁止には慎重。

座長の変遷|旧WGから再始動WGへ

第1–3回|2016

橘川武郎氏が座長。料金透明化と消費者選択を軸に、旧WGの議論を取りまとめた。

2017–2022

旧WGの成果を踏まえガイドライン等による自主的改善が続いたが、賃貸集合住宅を中心に商慣行問題が残った。

第4回〜|2023

内山隆氏が座長となりWGを再始動。議論は料金透明化から、利益供与・設備貸与・三部料金制など取引構造そのものの改革へ進んだ。

第13–14回|2026

内山座長は、利益供与ゼロという最終方向より「そこへどう持っていくか」が争点と整理し、具体的上限と契約期間を継続審議とした。

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