LPG事業者支援PJ VOL.21
2025年11月号【2025.11.4配信】
-事業者の皆様に私(境野)ができること-
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お世話になります、コネクトエネルギーの境野です。
※本メールは、私が今までお会いしましたガス事業者様を中心にお送りしております。
さて、第2四半期・決算シーズンがスタートしました。
ガスを中心に注目のエネルギー企業の決算を見ていきたいと思います。
コネクトエネルギー – LPG事業者を支援するコンサルタント会社
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※不要な方、加えたい人がいる方はその旨、ご返信ください。対応いたします!
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VOL.21コンテンツ
▶️注目のエネルギー企業決算・第1弾
 🔴日本瓦斯
 🔵東京瓦斯
 🟢大阪瓦斯
 ⚪その他都市ガス
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🔴日本瓦斯
【ポイント➀】
売上高882億(2.5%増)、営業利益50.0億円(116.6%増)、通期営業利益予想200億円に対して進捗率25%(需要期の下期に利益の3/4を計画、上期の営業利益は堅調な進捗と、決算説明資料にて記載しています)。
この営業利益の大幅な増加は、前年4-6月、すなわち7月の改正省令施行前に、賃貸集合住宅向けの無償貸与への駆け込み投資を行ったものが今年は無くなり、その販管費の減少が大きく寄与しているものと思われます。
※1Q決算説明資料に「省令改正で大きく減」の記載あり。
【ポイント②】
短信の中で「業界集約を牽引していくこと、従来のオーガニック成長に加え、大型M&Aやプラットフォーム事業の拡大を取り込み、企業価値・収益力を高めていく」との記載があります。
M&Aについては、4-6月は「0.8千件/9社」、7-9月は「0.9千件/14社」との記載が決算説明資料にありますが、「小規模案件を積み上げた」との補足説明通り、半期で1,700件/23社と、平均で1社あたり100件に満たない小粒案件の買収という実態が目を引きます。
プラットフォーム事業についても、粗利が7.5億円で前年の6.8億円から大きな増加は見られず、うち主力たるLPG託送(スペース蛍、充填・配送、新保安プラットフォーム)も3.1億円で前年2.0億円から大きく伸びたとは言い難い状況です。
共創の理念を掲げ、「『夢の絆』の共同利用や、配送、定期保安、サービスアプリ等を、プラットフォームとして、同じ危機意識やゴールを共有する事業者に提供し、連携を拡大しています」とする同社ですが、現場でのブローカーを駆使した度を超えた営業の影響もあり、共創の輪の中に入る同業者は増えていないのが実情ではないかと思われます。
【顧客数推移】
・LPガス:
 前年同期1,015千件→1,041千件(+26千件)
・電力:
 前年同期365千件→395千件(+30千件)
・都市ガス:
 前年同期590千件→598千件(+8千件)
🔵東京瓦斯
【ポイント➀】
売上高1兆3,475億円(10.3%増)、営業利益952.9億円(141.8%増)、通期営業利益を1,590億から1,660億へ上方修正しました。
都市ガス・電力等において気温影響やタイムラグ影響、北米シェールガス事業の販売単価上昇による利益増が増益に寄与しています。
好決算を受け、株主還元策として800億円を上限とする自己株式の取得、年間配当金を80円から100円に引き上げることを同時に発表しています。
【ポイント②】
決算発表と同時に、「2026-2028年度 中期経営計画」が発表されました。
利益成長ドライバーを3つに絞り込み、数値目標を明確に定めたのが目を引きました。
・エネルギー事業・・ガス:コストダウンの徹底とLNGトレーディングの拡大、電力:需給最適化とお客様件数拡大(520万件)
 3ヵ年投資配分:4,300億円、セグメント利益:25FY 870億円→28FY 1,090億円
・ソリューション・・住宅設備ソリューションの売上高拡大、法人向けエネルギーソリューションの全国・海外展開
 3ヵ年投資配分:2,000億円、セグメント利益:25FY 50億円→28FY 280億円
・海外・・北米:獲得資産の開発とバリューチェーン構築による収益化、アジア:成長市場でのLNG、電力関連事業参画
 3ヵ年投資配分:3,500億円、セグメント利益:25FY 590億円→28FY 790億円
【顧客数推移】
・都市ガス:
 前年同期8,836千件→8,856千件(+20千件)
・電力:
 前年同期4,022千件→4,269千件(+247千件)
🟢大阪瓦斯
【ポイント➀】
売上高9,592億円(1.0%増)、営業利益896.7億円(63.2%増)、通期営業利益を1,390億から1,600億へ上方修正しました。国内エネルギー事業におけるタイムラグ差益の増加、海外エネルギー事業におけるフリーポート液化基地や米国上流事業等が増益に寄与しています。
好決算を受け、株主還元策として年間配当金を105円から120円に引き上げることを同時に発表しています。
【ポイント②】
決算説明資料から、海外事業への注力ぶりが読み取れます。
・米国シェールガスについては、期初時点で当年度販売量の7-8割について、売価をヘッジして利益を安定化しつつ、追加鉱区取得による生産量増加で利益拡大を目指すことが明記されています。また、現時点で向こう10年程度は追加開発を継続できる見込みとのことです。
・米国電力については、ガス調達・電力販売等でのヘッジ活用によりキャッシュフローの安定化を図りつつ、継続的な費用改善等のバリューアップ活動を推進、同時に競争力が低下した発電所の売却を推進することで、電源価値の最大化を図る方針です。
・また、インドの急速な成長と大規模なエネルギー転換が進む中、広大な需要を獲得すべく現地へ本格進出、政府から独占権を得た19のエリアで、国内ガス事業のノウハウを活用し、2030年代前半に経常利益100億円規模を目指す予定です。
【顧客数推移】
・都市ガス:
 前年同期5,083千件→5,114千件(+31千件)
・電力:
 前年同期1,853千件→1,922千件(69千件)
⚪その他都市ガス
◆東邦瓦斯
売上高3,072億円(4.7%増)、営業利益238.2億円(24.7%増)
【顧客数推移】
・都市ガス:
 前年同期3,032千件→3,106千件(+75千件)
・LPガス:
 前年同期615千件→645千件(+30千件)
・電気:
 前年同期665千件→707千件(42千件)
◆西部ガスホールディングス
売上高1,286億円(14.5%増)、営業利益51.3億円(205.2%増)
【顧客数推移】
・都市ガス:
 前年同期874千件→873千件(▲1千件)
◆北海道瓦斯
売上高714億円(4.9%増)、営業利益66.7億円(39.2%増)
【顧客数推移】
・都市ガス:
 前年同期489千件→488千件(▲1千件)
・電気:
 前年同期259千件→257千件(▲2千件)
以 上

