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Connect People4 沖縄県高圧ガス保安協会 LPガス部会長 福原徹さん

2026 2/01
Connect People
2026年2月1日

沖縄県の高圧保安協会から講演の依頼を受けたのはもう半年以上前だっただろうか。講演の前日の夜に沖縄入りし、専務理事の有銘さんと会食させて頂いたのだが、その熱量は半端ではなかった。
「沖縄の自己適合宣言の提出率が、蓋を開いたら7割程度。がっかりした」という言葉が今も忘れられない。その時の全国平均は2割に満たず、まだ多くの事業者が宣言を出していなかったからだ。
その有銘さんの口から何度も出たのが「福原徹」。「部会長の福原徹の熱で我々は動いている」「福原徹を支えたい」「福原徹がやると言っている以上、我々事務局がやらないわけにはいかない」-いったい、「福原徹」とはどんな男なのだろうかと興味が沸いた。※以下、敬称略

目次

沖縄県の自己適合宣言率が高いのは、部会長と事務局の熱意によるもの

境 野:福原部会長にまずお聞きしたいのですが、沖縄県はLPガスの普及率がとても高いですよね。これはどういうところに理由があるのでしょうか。

福 原:沖縄県の普及率が高い理由というのは、やはり都市ガスが那覇市内を中心にしたところでしかないということと、配管を伸ばしたとしても、宜野湾市までしか出来ないところです。沖縄本島は細長く都市ガスが中北部に伸びにくいところがあります。それと離島も多く、当初からLPガスの事業所がだいぶ多かったということもあり、今は86から87%くらいありますが、全国で一番普及率の高い県と位置付けられています。

境 野:そうしますと、やはり沖縄県を代表する部会長としては、LPガスの取引の適正化もしかりですし、そういったことを先頭に立ってやっていかなければならないお立場ですよね。

福 原:はい。法改正に伴って最初にやったのが「経営者セミナー」ということで、会員の皆さんに呼びかけて、こういうふうに法改正されますというセミナーを行いました。そして2回目だったと思いますが、自主取組宣言をみんなで年度内に100%に持っていこうということで、「自主取組宣言総決起大会」と銘打ったセミナーを行いました。沖縄県の産業政策課の方も呼び、村田専務理事にもお越し頂きまして、専務理事が見ている中で、その決起大会が出来たことは大きな成果であったと思っています。そういったこともあり、沖縄県は当初から自主取組宣言をやる事業所が増えていったというところがあると思います。そして、消費者の方々にしっかりと説明と提案をして、工事代、器具代はきちんと頂かないといけないよと、他の業界と同じように、正しく商売をやらないといけないよと、こういうことを強く発信するために、セミナーを開催してきました。

境 野:素晴らしい取り組みですね。これちょっと失礼な言い方になるかもしれませんが、そういうところには、どこの地区でもいそうなルールを守らないような事業者もちゃんと来ているのですか。

福 原:はい。役員の皆さん含め、会社の中で立場がある方に参加して頂いていますので。

境 野:そういった事業者もやはりきちんと法に従ってやっていこうという感じになりましたか。

福 原:はい、そういう雰囲気になっていますね。

境 野:素晴らしいですね。本当に実効性確保という点では、そういったルールを守らなかった事業者もちゃんと意思に賛同して、みんなでやっていこうという意思統一が取れたということですよね。

福 原:そうです、意識的には統一できたんじゃないかなと私は思っています。

境 野:私が沖縄に前回来た時にすごく驚いたのは、専務理事の有銘さんが物凄く悔しそうに、「沖縄は蓋を開けたら宣言率が71%しかなかった」と、こう言ったんですよ。全国平均が18%しかなかったときに。「7割しかいってない、悔しい」という気持ちですね、これは相当やっているなという熱量を感じました。そして、その背景には福原徹さんという凄い部会長がいるということも、5回ぐらい聞かされました(笑)。

福 原:沖縄は離島がありますので、特に石垣支部、宮古支部というところがあるので、なかなか行き届かないのではないかと思いましたが、有銘専務の計らいで一緒に向こうに足を運びました。向こうではもう各2回ずつぐらい、「ちゃんとやるぞ、ちゃんと守れよ」と言ってきました。その結果、今となっては96%まで宣言率が上がってきました。残りはいわゆる広域事業者の支店ですね、漏れているということだと思っていますが。そして、やはりこの宣言を上げるために私と有銘だけが頑張ってやったわけではなく、事務局の皆さん、政府の皆さん含めてですね、協力して一致団結してやってきたというのがあります。

境 野:本当にこの企画を作ってよかったなと思っています。LPガスの協会って、都道府県ごとにバラバラなんですよ、一致団結度合いが。例えばある県などは、県で自己適合宣言を出そうと取引適正化委員会でも話し合った結果、真っ二つに意見が割れて成立しなかったんですね。その反対派の多数が切替で有名な大手事業者です。そういう世界がある中で、今後の業界が良くなっていく良いお手本になるのではと強く感じました。

福 原:一番懸念していたのは、宣言はしたのに法令を破る事業者が出てきたらどうするかというところですね。それをどうするかということで、有銘専務がもう毎度のように沖縄県の産業政策課の担当と、どういうふうに処罰するか、立入検査も早くやってほしいというやり取りをしてくれました。やはり行政が立ち入りを積極的にやっていくことになれば、法律を守らないといけないよねという意識付けには効果的です。 一度その主幹をお呼びして、立入検査についての調整と、行政としてはこうやるよというのを発表して頂いて、「本当にやるぞ」と、引き締めもできたというところもあります。

境 野:県が一致団結して皆さんがそういうルールをしっかり守るというのは、非常に珍しいことだと思います。

福 原:有銘専務も奮起したきっかけというのは、私が全L協の未来創造委員会の委員長を拝命したこともあると思っています。私に恥をかかせたらいかんという、事務局の本当に熱い思いもあったんじゃないかなと思います。事務局の全面的な協力があったということが、非常にやりやすかったところではないかと思っています。

境 野:ありがとうございます。せっかく今日、副部会長も来ておられるのでお聞きしたいと思います。この取り組みに関して、思い出とか何かコメントがあれば頂ければと思います。

上 地:販売事業者としての立場でお話ししますと、工務店にも配管の設置購入はご納得して頂いています。そこからは競争という形になりますが、何が起こるかというと、やはり新規獲得が少し減少しているというのは確かに感じますね。 それと、既存のお客様でまだいくつかトラブルがあるのが現状です。管理会社とオーナーさんに商慣行是正の内容を説明した上で、それでも先方からずっとやってくれないのかというお願いが出てくる。それに対しては、負担額も大きいし、それは他社も同じで限界ですと、お客様がそういった考えをお持ちであっても、対応するところはなかなかないと思いますと、そういう話は今もあります。ただ、そういうところがありながらも、他のガス会社も同じくルールを守ってくれているので、切替の実績はまだ1件もありません。

境 野:凄い事ですね、不動産関連は関東では堂々と潜脱行為を行う大手事業者がいる一方で。はい、ありがとうございます。では同じく副部会長の比嘉様にお聞きします。

比 嘉:沖縄県の取組宣言の高さというのは、やはり一番は先ほどもお話しされていた有銘専務理事と福原部会長が本気でやるということで、各支部や卸元のところに直接行って「是非お願いします」とやってきた結果だと思っています。そして私の方は系列のところで副会長もやっていますので、販売店に対して、「我々からまず率先してやっていかないとおかしいんじゃないか」ということで、卸元の方に会う度に、「あと何件が出していないの?宣言出してないところは早く出してくれ」と。 そういうお願いを毎回毎回やってきましたし、会長を筆頭に皆さんがそういう地道なお声がけをしてきた結果ではないかというふうに思っています。

境 野:ありがとうございます。本当に全部の県が沖縄県のようになって欲しいですね。

福 原:ありがとうございます。九州ブロックの中でも未来創造委員会の委員長をさせてもらっておりまして、開催するたびにその話はしているんですよ。「早く皆さん、宣言を上げましょう」と。事あるごとにずっと口酸っぱく九州ブロックの中でも言って歩いていたので、ついに長崎県さんも2%だったのが92%近くまで上がってきました。

境 野:えー!?本当ですか?いつの間に・・・。凄いですね。相当ガツンと言ったんですね。

福 原:まさに境野さんのおっしゃるように、宣言率が上がっていないのは、会長のやる気の無さと事務局の怠慢だと、私はずっと言ってきました。会長がやる気がなかったら誰もやらないよと。ということで、他の県のところに行って「やれ」とは言えませんので、未来創造委員会の時とか、会員交流会の懇親会の締めの挨拶とか、名指しで「あなたたちはまだ2%だよ」とか言いながら、ちゃんとやれよと。

境 野:素晴らしい。

福 原:九州ブロックも盛り上がってきましたが、福岡県がまだ低いですね。

境 野:九州がここまで宣言率が上がってきたのも、やはり福原部会長がインフルエンサーだったわけですね。

LPガス業界の未来を真剣に考えている「未来創造委員会」、若手にも是非参加を

福 原:未来創造委員会は、2050年に我々の業界がどう生き残るかいうテーマでやっていますので、法令を守らないで2050年にのうのうと生き残るわけがないだろうというのが私の考え方でもあります。

境 野:未来創造委員会で2050年までのお話をされているという中で、福原部会長は業界の様々な公職に就かれていて、おそらくこのLPガス業界を良くしたいというお気持ちがかなり強いんだと思います。福原部会長が心に描いている未来のLPガス業界というのはどんな世界ですか。

福 原:今いる事業者の皆さんがそのままそっくりしっかりちゃんとやって2050年に生き残っていたいという思いからスタートをしております。あとはもう時代の流れに沿って、新しい先進技術が入ってくるのか、例えば配送の合理化をするためにドローンで配送させるのかとか、そういった色々なものの夢物語というのも必要です。一方で現実的なものも見ないといけないだろうというところから、ロードマップをしっかり作成して取り組んでいこうというところで動いているところです。2年間、色々な方々たちを呼んでセミナーを受けたり、意見交換したりということをやってきましたが、やはりテーマがテーマだけに大き過ぎて、なかなか私自身も追いついていってないのではと思うところもあります。だからこそ、一方でやれるところから一生懸命に取り組んでいかなければならないと、こういうことも含めて、気持ちの中に影響していると思います。

境 野:素晴らしいという言葉しか今日は出ないのですが、未来創造委員会というのは、確か青年部会が発展して出来た組織でしたか。

福 原:山田会長が「こんな青年委員会では駄目だ」ということで廃止にして、新たに設立設置したのが未来創造委員会です。ただ、そこに集まってくる各ブロックからの代表の皆さんは、各ブロックの青年委員会の委員長であったり少し名残があって、青年委員会での今までの慣習というか、それをやろうとしてくるんですが、何回か山田会長にも来ていただいて、「もう青年委員会ではないんだぞ。ちゃんと未来創造委員会でやってくれ」ということもお話して頂いております。

境 野:青年委員会と言っても平均年齢が50歳を超えて「どこが青年なんだ」と(笑)。やはり、形だけの組織じゃなくて、本当に未来を考える会にしていこうというのは、素晴らしい決断ですね。

福 原:我々の業界の若い人たちにも、未来を考えてもらわないといけないと思っているんです。 私も、あと少ししたら60歳になるので、もう少し若い世代の、頭が柔軟な方達が、未来を見据えて未来にはこうなっておきたいとかいうのをやって欲しいという思いはあります。だから僕らより若い世代にもうちょっと頑張って欲しいなという気持ちがたくさんあります。

境 野:ありがとうございます。まさに若い人たちにはこれからの業界を引っ張っていって欲しいですし、そういう若手経営者にいつも会う機会があって頼もしくも思っているところです。ところで、これからの活動で重点的に力を入れていきたいところはどこですか?既に宣言率が100%近くになった今。

福 原:通報されない環境が欲しいなというのと、やはり未来に向けて需要の開発をどうすることができるのか。みんなで足並み揃えて、ちゃんと法律を守りながら生き残っていけるためにはどうするべきなのか。あとは人材不足だったり、後継者問題だったり、我々の業界には問題と課題がたくさんあると思うので、そういった時に我々同業者としてどうやっていくのかというのは、見本的なものが作れたら皆さん頑張ってできるんじゃないかなというのもあって、色々と考えていきたいと思っています。

境 野:ありがとうございます。今、一応この業界で一番重いテーマというのは多分後継者不足なんですよ。自然減、それに対してどう対応していくのかと。 特に後継者不足があるからこそ、M&Aが活発に進んでしまい、集約が進んでいるというのがこの業界の大きな動きなんですね。沖縄ではその動きに対して、あるいは少子高齢化で後継者不足に対してどういう対策でやっていこうというお考えはありますか。

福 原:必ずしも何かがどこかを集約しないといけないというわけではなくて、色んなものを共同体制で事業が継続できるものも考えないといけないんじゃないかなと思います。 こういったところはやはりもっと若い世代の人たちが、自分たちの未来のためにこういうのはできないのかなとか、提案があったらいいのになというふうに思っています。

境 野:福原会長、皆さん、本日は大変素晴らしい話を聞くことが出来まして、沖縄に来た甲斐がありました。是非とも沖縄県が先頭に立って、この業界を良くしていってもらいたいと思います。

沖縄県高圧保安協会・LPガス部会の皆さん。左から比嘉副部会長、福原部会長、上地副部会長、又吉事務局次長、宮城総務課長。福原部会長のもと、彼らが一致団結して沖縄県の自己適合宣言率を100%近くまで引き上げた。残念ながら有銘専務理事は当日所用のために欠席となった。
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