ハゲタカに見る作品の完成度の高さ

昔、NHKスペシャルでイチローの特集をやっていて、その中で彼が「これ、何度も観ちゃうんですよ」と、『白い巨塔』を家で観ているシーンがあったのですが・・あれ、良く分かるんですよ。

私もあの作品−2003年、フジテレビ開局45周年ドラマとして放映された−が好きで、DVDを買って何度も観ました。同じように何度も観たのが『ハゲタカ(2007年、NHK土曜ドラマ)』。この二つの作品に共通している点を考えてみたところ、「深い人間ドラマ」であり、

極めて完成度の高い作品

というところに行きつきました。

『白い巨塔』は人間の「欲」に焦点を当て、その出世欲の塊のような財前五郎を唐沢寿明が、正反対の生き方をする里美脩二を江口洋介がよく演じ、その対立と友情を軸に様々な人間模様が描き出された傑作でした。

『ハゲタカ』は大森南朋が演じる鷲津政彦、柴田恭兵が演じる柴野健夫がそれぞれヘッジファンド、銀行という立場で金融の世界で戦いながら、最後は企業再生という道で手を組んでいくという、こちらも深い人間ドラマでありました。

で、共通点をもう少し掘り下げるとですね、三拍子揃ってるんですね。一つは脚本、これが一番大事。何といってもドラマですから、ストーリーが重厚かどうか。二つ目は俳優、演技力ですよね。そして三つ目が音楽です。『ハゲタカ』は大森南朋=鷲津政彦がカッコよかった。

ハゲタカファンドとして日本企業を買い叩いていたと、見られていたんですがその実、彼が率いるホライズンがMAした企業は次々と再生を果たしている。副題が「ROAD TO RIBIRTH(再生への道)」、イカしてますよね。

私も仕事で、特にお客様に観てもらう講演、プレゼンテーションは完成度の高さに拘っています。「本当にこれで良いのか」「どこか手を抜いていないか」「自分で心からこのストーリーに納得できているのか」

-自問自答しながら作品を作ることを心掛けています。『白い巨塔』や『ハゲタカ』には及ばずとも、「何度も観たい」作品作り、続けていきたいですね。

何度も観てしまう『ハゲタカ』『白い巨塔』−脚本・俳優・音楽、三拍子揃った質の高いドラマは近年では見られない

感想追加と鷲津の名セリフ

『俺はお前とは違う』-ハゲタカ流のやり方で、安く買い叩いて高く売る鷲津政彦に、芝野建夫が言ったセリフ。が、物語の最後になり、鷲津もまた企業再生の道を歩んでいたこと、そして自分自身の再生に掛けている自分と同じであることが分かり、芝野が鷲津に諭すように言った。『お前と俺は、同じだ』-この物語の重厚感と奥深さ、同じような作品はもう現れないかもしれない。

鷲津着用の眼鏡、『スタルクアイズSH0001J』-当時、丸の内のアラン・ミクリの店で13人待ちで買いました。今のは2代目。

・『泣いている私に、あなたが言ったんじゃないですか。「しょうがないだろ、日本は資本主義なんだから」って-私はアメリカに渡り、徹底的に学びましたよ。芝野さんの言う『資本の論理』っていうものを。金を持っている者だけが正義だってことを。私を変えてくれたのはあなたですよ、芝野さん

・『私は退職時にホライズンから36億円に上る分配金の掲示を受けました。受け取れば契約上、向こう10年、ファンドビジネスに関わることはできない。だがそれは、私に死ねということだ。-芝野さん、あなたとなら、歩み出せる気がする

・『だけどその0.1%が、時には全てを変えることができる。どういう使われた方をされるのか、そこのとによって紙切れ自体の価値が変わる。それはあなた方職人の技術も同じじゃないんですか。加藤さん、賭けてくれませんか。私と芝野に

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異なる地域のエネルギー事業者同士を結び付け、人と人の交流、事業と事業のマッチングを通じ、共に発展・成長していくことを目的としたコンサルタント。長期的に寄り添って課題を共有解決していきたいため、契約対象社数は上限を設定。プレゼンテーション研修、講演は回数によって応相談。 連絡先:haruhiko.sakaino1@outlook.jp

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