まずもってこのホルムズ海峡封鎖、悪いのは言うまでもなく、圧倒的にアメリカとイスラエルです。そもそも、イランを攻撃する意味が分かりません。イラクの時と一緒で確たる証拠もないのにいきなり爆撃は野蛮国家ですか?なぜ、話し合わなかったのでしょうか?もはや老害ここに極まれりのトランプさん。
歴史的な背景から見て、イスラエルにそそのかされて巻き込まれてしまった感も否めないではありませんが、読みも甘かった。指導者を殺害してしまえば、親米政権ができると安易に読んでいた節があり、逆に指導者の子供が圧倒的支持を受けて後を継いだわけで、それはアメリカに対して恨み骨髄に至り、絶対に降伏などするはずがありません。
さて、原油が備蓄を放出せざるを得ない事態になり、ガソリンの価格高騰ばかりが話題になっていますが、イランがカタールのラスラファンへ報復攻撃を行った結果、天然ガスとヘリウムの供給にも大きな影を落としつつあります。なにせラスラファンは世界のLNG供給の約20%を処理する拠点。
カタールエネルギーのCEOは、「韓国や中国、イタリア、ベルギーに向かうLNGの長期契約について、最長5年間の不可抗力を宣言しなければならない可能性がある」と述べています。要するに、戦争が原因で供給が物理的に不可能になる、ということですね。
同社のLNG輸出能力の17%が損傷し、復旧には3~5年かかると見られています。カタールからの輸入比重が高い国は、当面の間、価格の高いスポット市場から調達せざるを得ず、ガスや電気代の高騰を招く可能性が大きい。
さらに、稼働が中断されたヘリウム生産施設も、復旧に最大数ヶ月かかるそうです。カタールは全世界のヘリウム生産の約1/3を占める、巨大輸出国。ヘリウムと言えば風船・・いやいや、いまや半導体には欠かせない代物。ヘリウムは不活性で熱伝導率が高く、非常に軽くて拡散しやすいため、半導体製造、中でもウェハー冷却と相性抜群なんですね。
つまり、世界の半導体、引いてはAI産業の発展にも打撃を与えかねない。とにかく、エチレンなどの石油化学製品も含め、あらゆる産業に影響する事態になってきていると思うんです。そして、長期化する覚悟をそろそろ決めた方がいい。
アメリカは最初、「すぐに終わる」「3~4日で作戦は完了する」と言っていたものが「数週間」に変わってきましたが、無理です。というか、客観的に見て戦争の主導権を握っているのはイラン。中東にアメリカの軍事基地があるとて、イランの国土は日本の4倍、人口9,000万の大国です。地上戦やらかしたらイラクの比じゃない、山岳地帯も多くまず勝てません。
そして今やホルムズ海峡を無事に日本の原油タンカーが通過できるようになったとしても、中東湾岸のエネルギー出荷基地への攻撃が続きますと生産が停止する、中東からの石油調達を諦めざるを得なくなるという、最悪の事態が現実のものになりつつある。
だから今度こそ、原油代替体制を構築していかないといけないのではないかと強く思うわけです。
ガソリンの代わりにLPG。
改造規制を緩めればLPG車の生産自体は困難ではありません。それから化学製品もLPGからのプロピレンを活用するような方向に持っていくとかですね、実はLPGの活用可能性は大きいんじゃないかと。なにせ、ここ十数年で中東依存比率が90%から5%弱にまで落ち、ほとんどがアメリカからの輸入に変わったわけで、地政学リスクが解消されています。
最近、本気で思うようになってきているわけですが、こちらの方に舵を切らせるには、どこにどういう働き掛けをしていったらいいか、ちょっと本気で考え始めているところではあります。
それぐらいの危機が目の前に迫ってきているんだと、ここは先を見据えた行動が必要だと、強く思う次第であります。




