2024年7月に改正省令が施行、2025年4月に三部料金制が義務付けられ、そして年末12月23日の最高裁判決。LPガス業界が大きく変わらざるを得ない、何やら運命のようなこの流れ。
集合住宅のガスの契約を取りたいがために、オーナーに紹介料やら無償貸与やらの利益供与を行い、それを部屋を借りている人のガス料金に上乗せして回収していたという、信じられない悪慣行にまずメスが入りました。
賃貸集合住宅の場合、契約権限がオーナーにありますから、ガスを使わないオーナーがガス会社と契約を結んで、ガスを使う消費者はガス会社を選べないという、選択権の歪みが存在するわけですね。
そして、この獲得競争が激化していき、ガス給湯器からクーラー、Wi-Fi、果てはエレベーターを無償貸与するなんていう事業者も出てきた始末。結果、その集合住宅のガス料金はとてつもなく高くなり、消費者被害と言える状況までいってしまったわけです。
なので、オーナーへの過剰な利益供与はやめましょう、そして部屋を借りる人は入居した後にガス会社を替えられないわけですから、入居前に料金情報の提供が義務付けられたわけですね。
しかしながら、どうやら水面下では大家と秘密保持契約を結んでまで過剰な利益供与をまだ続けている大手事業者が一部で存在するようです。この人たちに反省という心はないのでしょうか?
コンプライアンスの徹底を!と上層部は言っている一方、ノルマは下げない。結果、現場はやらざるを得ないという、コンプライアンスよりもガバナンスの問題の方が大きいような気もします。
折しも不適切な会計処理で揺れるエア・ウォーターは、グループ計37社で、2019~24年度に売上収益(売上高)を合計667億円、営業利益を209億円過大計上していたわけですが、構造はニデック同様、ワンマン経営からの過度なプレッシャー。
パワハラ紛いの圧で数字至上主義になり、消費者よりも金といった雰囲気がひしひしと伝わってくるわけですが、これって経営者に能力がないと断じざるを得ませんね。だって健全に業績を伸ばしている会社があるわけですから、たくさん。
話が逸れましたが、オーナーへの過大な利益供与シリーズで、紹介料の跡を継ぐかのような形で出てきたのが、「格安レンタル」です。
エアコンを月250円でレンタル・・・
チラシを見たんですが、1年で3,000円、10年で30,000円。工事費込みで大体15万円が相場としますと、回収に単純計算で50年笑。つまり、このレンタル事業単体では採算性が成立しない。
では、どこから回収しているか。それはガス料金しかありません。対象の物件の値段を段階的に上げていくかもしれないし、あるいは他の顧客の料金を上げて回収しているかもしれない。そして、それはなかなか見えない。
しかし、一つ言えることがある。
そういう風に、正しい商売の在り方の追求ではなく、裏をかくことを考えれば考えるほど、規制が強くなるんです。歴史は繰り返す!この商慣行是正も、ワーキングの内山座長いわく、「業界のリーダーがちゃんとしていれば、ハードローの世界に踏み込むことは無かった」と言っておられますように、ちゃんとしないから規制ができるんです。
エアコン月に250円も結構ですが、事業計画書を出せますか?そのレンタル事業はいつ黒字化を見込んでいるんですか?そんなものないでしょうに。胸に手を当てて、今、自分がやっていることが正しいのか、子供に胸を張れるのか、一度立ち止まって考えないと、第二第三のエア・ウォーターになりますよ?ほんと、いい加減にしましょう。




