今回、二つの最高裁判決があったわけですが、簡単に整理しますと
1️⃣設備費用請求事件(令和6年(受)1373号)
・屋内配管(消費配管)は建物に「付合」するから、
・LPガス事業者が「貸している」「所有している」という前提は否定
➡️配管の所有権は原則として需要家(家主)側
2️⃣残存費用等請求事件(令和6年(受)204号)
・無償配管+長期供給契約+途中解約時の精算条項は実質的に「違約金」
・事業者の平均的損害が存在しない
➡️消費者契約法第9条1号により「全部無効」⇒「解約されたら配管代を払え」は通らない
正確に言えば、「貸付配管が禁止された」ということではなく、「貸付配管」というビジネスモデルが法的にほぼ成立しなくなったということです。
そのうえで、残存費用等請求事件の補足意見で林裁判長裁判官が述べられているのが、
三部料金制の下で、
・配管の所有権が家主に帰属することを前提に、
・基本、従量料金と明確に区別し、設備料金として、
・月々請求する場合
は、「本判決の射程は当然には及ばない」⇒これはOKですよと、こう言っているわけです。
配管費用の回収は否定されておりません。なので、
既存契約で貸付前提のまだ浅いものは契約変更していく必要がある
と思うわけです。
▶️配管はガス供給契約と切り離してお客様に売り切り
▶️一括で売り切る場合は設備料金は「ゼロ」…これが一番シンプルで分かり易い
▶️あるいは割賦販売にして設備料金に月額料金を明示
→この場合、総額・月数・月額料金を備考欄に明示して割賦販売であることを明確にしておく。
そうしておけば、ガスを途中解約されても、こちらは別契約にて「残存費用」ではなく「未払い金」として回収可能。
今回の最高裁判決の本質はこうです。「配管は需要家の設備であり、事業者は自らの判断で先行施工した。途中解約されるリスクは事業者が事業として引き受けるべきリスクであり、それを解約精算、違約金、残存費用請求という形で需要家に転嫁してはならない」
そして、点ではなく面で見てるというところも需要です。LPガス事業は「個々の契約」ではなく「事業全体」で収支を見るもの。当然、長期・中期・短期の利用者がいる中で、短期で切り替えられるケースは一定数出る。それを織り込んで料金設計するのが事業者の責任であると。
短期解約リスクを需要家に押し返す設計は駄目ですよと、これが今回の確定ルールなんですね。
そして、この貸付配管については、今後の方向性について、第10回のワーキングで出ているわけです。

講演でも言い続けてきました通り、今後は工務店や建設会社が、ガス管を買って設置して消費者に売る、工事が出来ないならガス会社が受注して建設会社から対価を得る。だから、配管は家に付いてますよ、消費者のものなんですよと、そしてこれが、
消費者から見た当たり前の姿
なんですよね。問題のある商慣行、是正していきましょう。「配管はウチのものなんですよ、ガスの契約、途中で切り替えたんだから、残りの代金〇〇万円、払ってもらいます」-普通に考えてどう思います?やめていかないと、業界の信頼性を高めるためにも。



