本日の日経、この見出しは目を引きましたね。
「会計士→配管工 給与3倍」
アメリカの話なんですが、AIが知的労働を代替し始めたので、職業訓練校で配管工や空調設備などの技術をリスキングする人たちが増えていると。
以前は会計士だったチョン・マイさんは配管工として、今は半導体製造装置会社の研究拠点の新築工事に従事し、朝の6時に現場に着いて14時30分に作業を終える生活を送っているとのこと。
ブルーワーカーに転職した今は、月収12,000ドル(約190万円)、会計士時代の3倍を稼いでるとのことで、「会計はAIでも出来るけど、配管工事は人間にしかできない」
これ、これからの日本にこうなって欲しいという意味で、とても考えさせられます。私もChatGPT5を使っていますが、色んな行政手続き等は行政書士に聞かなくてもAIに聞いて自分で出来ちゃっております。
士業の大半が無くなるとは言いませんが、AIで出来る部分が増えるために、対価としての報酬は減っていく方向になるんだろうな、という気はします。
「昔はブルーカラーは『汚い仕事だ』と嫌悪されたが、最近はスキルの差別化に悩む大卒のオフィスワーカーがここでリスキングしているよ」とのことで、配管技能訓練センターの在籍生徒数が去年より4割増えたとのこと。
アメリカでブルーカラーが注目されているのは、AIによって知的労働が代替されることへの不安の裏返しとのことで、ホワイトカラー職の雇用の減少がこれからも続くと思われます。
一方で、本日の日経の18面では、「バスもゴミ収集も人手不足」との見出しで、生活インフラの維持に欠かせない現場担い手「エッセンシャルワーカー」の不足が都市部でも顕在化している、との記事。
バス運転手の高齢化は以前から言われておりましたが、ゴミ収集も深刻な人手不足が続いているとのこと。都内の主要収集業者に人員を派遣する組合も、約2,000人のうち毎年1~2割が離職していると。
そんな人手不足の一つの解として、栃木県足利市では6月から、利用者が自ら水道メーターの検針を始めたとのことです。検針作業員の確保が困難なため、専用アプリを使ってメーターの撮影・送信をしてもらうと。3年後にはメーターの15%をセルフ検針に切り替えたい意向だそうです。
なので、方向性としては、ホワイトカラーは余剰が生まれ、ブルーカラーは不足になる、ゆえに、
ホワイトカラーからブルーカラーへ、賃金の比重シフトを起こすべき
だと思うわけです。ガスの配送もしかりですよね。そもそもがエッセンシャルワーカーへの労働条件が悪過ぎます。なにゆえ人々の生活に欠かせない、大切なインフラを担う業務の給料が低いのか、そして労働条件が悪いのか。
まさに、ここを政府にも産業界にも改革すべく、本腰を入れて頂きたいところです。本日の日経を読んで改めて強く思った次第です。

