さて、政府の経済対策が打ち出されました。当然、これらのみで日本経済が浮揚していくわけがありません。
肝心要の企業が成長しなければ、経済活性化はあり得ない。だから日本企業はドンドン成長投資にお金を注ぎ込みましょう、設備投資を増やしましょう!・・・なのですが、バブル後遺症が30年も続いている日本。

プレゼン研修の序章で問題提起として出しているものですが、これがまさに失われた30年。日本の全産業の合計値ですが、
ほぼ30年、人件費が一緒。つまり物価が上がってない。
思い返せば大企業の新卒初任給がつい最近まで20万程度でしたが、私が新入社員の時と同じですからね笑。
話が逸れましたが、バブル後遺症がずっと連綿と受け継がれてきたわけです、特にサラリーマン大企業に。
余りにも凄かった資産価値の暴落に経営者は軒並み保守的になりまして、やることはコスト削減一択。
設備投資も抑えられ、給与も騰がらず、曲がりなりにも黒字を出してきた企業が稼いできたお金は全て内部留保として蓄えられていきました。
その額なんと555兆円。これだけのお金が消費に回らず企業の成長に回らずにひたすらに企業内部に貯め込まれていきました。経済が成長するわけがありません。
さらに、個人金融資産の合計はついに2,000兆円を突破し、現在2,200兆円。
2025年10月31日時点の日本の全市場を合わせた株式時価総額は約1,100兆円ですから、個人金融資産で日本の全産業が2回買えてしまう規模。
「とにかく無駄なお金は使わないで貯金」という考えが連綿と受け継がれ、積みに積みあがった日本の個人金融資産。
国家予算が110兆円ですから、個人と企業の貯金合計で25年分。
この現金保有率、世界でも例がない異常な数値。これを外に出して回さないと、経済は成長しませんよ。
まずお金持ちの個人は貯めずに消費に回しましょう。それと企業はとにかくリスクを取って新規事業に挑戦して下さい。
株主還元で自社株買いや配当に回す企業が増えていますが、それって個人に貯め込まれて個人金融資産を増やすだけで負のスパイラルです。
日本はかつて技術立国でした。いや、まだいけます。高市首相も日本発の技術を世界に売り込みたいと、モノづくり日本を復活させたいと、それに答えられるのは企業しかないのです。
ペロブスカイト太陽電池、核融合発電、宇宙産業、無理とか不可能とか言われる分野こそ、リスクを取って挑戦して頂きたい。
ソフトバンクなんてパソコンの卸売りから始まってブロードバンド、携帯電話、そして投資事業と、無茶だの何だの言われながら今や日本を代表する時価総額30兆円企業ですよ。
孫正義さんがリスクを取ってチャレンジしてきたからこその今の姿。こんな企業がもっともっと増えて欲しい。
ガス会社にも言えることです、これ。貯めててもしょうがないんです。農業や介護施設、その他ガス事業に親和性の高い新規事業への投資、あるいは古びた本社屋を、若い人たちが通いたくなるような最新鋭の本社屋に建て替える、とにかく将来に繋がるお金の遣い方、是非やって欲しいです。
貯め込んでいても、何も生み出さないのですから!

