「オリのなかで、飼育員の言うとおりにしていれば、毎日時間どおりにエサが与えられます。それは、とても安全でラクな人生かもしれない。
だけど、自分が思うように生きることはできない。なにより、サバンナに放たれたとき、自分の力でエサを獲得できなくなってしまうのが怖い。だから、僕は動物園から出ることにしたのです」
日本テレビを辞めて著者・森川氏が33歳で転職したのがソニー。そして36歳でソニーから当時ベンチャーであったハンゲーム・ジャパン株式会社。
年収は半分の半分になったものの、「ここでようやく僕は、自分の力を思う存分発揮できる場所を手に入れることができたのです」と森川氏。
会社員をやめて会社を作りまして、「オリの中は楽だったな」と思うと共に、いかに色々なことを会社にお任せだったのかを痛感しております。
特に社会保険と税金ですね。なにせ会社員の時は給料なんて手取りの額しか気にしておらず、社会保険、すなわち厚生年金と健康保険が何なのかも漠然としか理解しておりませんでした。
ところが、会社を作ったら一人であろうと、厚生年金と健康保険は、会社と社長個人の役員報酬の双方で負担しなければならず、感覚としては倍を払っている感じなこととか、住民税が前年の報酬によって決まっていることとか、まあ後から「そうだったんだ」と笑。
さらに「年末調整」は会社が行う源泉所得税の最終調整の位置付けであったりとか、とにかくサバンナに出て日々新たなことを学んでいるという状況です笑。
しかし、これが新鮮であり、この歳になって新しい体験が出来ていることに感謝しているのも事実。
「ああ、いわゆる『五公五民(社会保険と税金の割合が所得の半分を占める)』って、こういうことなのか」とか、世間を肌で直接感じられると言いましょうか。
それともうひとつ、会社にいた時はあまり感じられなかったこと。それは「人に生かされている」という厳然たる事実。
会社に依存せずに自分の足で稼いで食べているのですが、それは独りの力で出来ていることではない。信頼して下さっている方々が契約を結んでくれ、講演を依頼してくれる方々がおられ、仕事を紹介してくれる人たちがいる。
人に生かされている、活かされている
のだということを、いやがうえにも感じる、感じ取ることが出来るのです。
色々な人たちのお陰で、自分が存立しているのだという実感を、直接に肌で感じられる。本当に有難いことです。
以下、森川氏ですが、「仕事の「幸せ」とは何だろう、と。僕の結論はこうです。人は誰でも、誰かに認められたいと願っている。
だから、仕事を通じて世の中の人々に喜んでもらったときに、自分の存在価値を認められたと感じる。それが「幸せ」なのです。そして、その「幸せ」のためならば、身を削る努力ができる。それが、プロフェッショナルだと思うのです」
-私も、まだまだ独り立ちしてよちよち歩きではありますが、プロフェッショナルを目指していきたいと思います。



