台湾をめぐる首相発言で中国がどうやら怒っているようです。「台湾有事は存立危機事態になりうる」に端を発し、中国の大阪総領事の非常識極まりない発言、そして中国外務次官が日本大使を夜に呼び出しての厳重抗議、さらには中国政府による日本への渡航を避けよという注意喚起。
習主席との会談直後に、高市首相が台湾代表との写真をSNSに載せたら、「習近平国家主席の顔に泥を塗る行為だ」と、一部の政府関係者が発言しているとのこと。面子の国ですからね、かの国は。
まず、「台湾有事は存立危機事態になりうる」に対して立憲民主党の岡田さんが「有事(中国による台湾への武力介入)の際は台湾海峡を迂回すればいいじゃないか」なんて、しょうもない発言をされておりますが、そういう問題じゃないんですね。与那国島と台湾、100キロメートルぐらいですよ?日本の主権が脅かされかねない事態になるんです、普通に考えて。
だから、至極真っ当なことを言っているだけ。むしろ今までの「中国に気を遣い過ぎる」姿勢が問題でした。台湾は日本の友好国ですよ、誰が何と言おうと。台湾は日本に感謝してくれているんです。植民地時代に大規模なインフラ整備を行い、義務教育の普及に尽力し、この期間に台湾の近代化が一気に進みました。
民主主義で地政学的にも中国から圧力を受けている同じ立場、同志と思ってくれている。東日本大震災の時には、日本を心配してくれて世界最大の義援金をいち早く送ってくれた国。しかもその9割が民間からの寄付でした。日本の大切な友人なんですよ。それを「台湾有事発言は中国への内政干渉だ」なんて馬鹿な事を言う中国の報道官。
ここで彼らの挑発に乗ってはいけない。日本政府は今の毅然とした対応を貫き、かつ、「大人の対応」をして頂きたい。大阪総領事を国外追放とか、気持ちとしては私も同じですが、これをやると中国は自国の論理を振りかざして「正しい事を言った人間を追い出すとは何事か」等と、紛争の切っ掛けにしかねない。
今回の総領事の「汚い首を斬る」という発言を、中国の人たちはどう思っているのか?を私は問いたい。かつて一緒に仕事をしていた中国の友人、みんないい人で普通の感情と感覚の持ち主でした。例えば中国の日本大使館の人間が中国国家主席に対して同様な発言をしたら、日本人が「それは言い過ぎ、人として失礼、非常識すぎる、クビにすべきだ」と、これが普通の反応ですよ。
なので、様々な歴史認識を踏まえつつも毅然とした姿勢を貫き、
非常識な発言に対しては「中国の国民の人としての良心に問いたい」
と、先方の国の人たちへ投げ掛けてもらいたい。マスコミもつまらない煽りや政府批判をするより、人としての良心に問いかけるような姿勢で対中国報道を心掛けてもらいたいと、一連の流れを見て思った次第です。




