伊東市長の件、初動を誤ったがために泥沼に陥り、全国規模で話題となってしまった「学歴詐称」。結論から言いますと、
最初に「すみません、卒業ではなくご指摘のとおり除籍です」
と言えばよかったのです。除籍の理由が不明ですが、「4年間、通ったことは事実ですが授業料が払えず」とかそれなりの理由であれば情状酌量の余地もあったのではないかと。
そうでないとしても、最初に議会で素直に認めれば、恐らく全国規模のニュースにはならなかったと思われます。
そして、会見でまずかったのは、冒頭に「私は東洋大学を卒業しておりませんでした」と認めておきながら、「私の中では(証書は)本物であるというふうに思っておりますけれども、大変残念ながら、いま私のほうでそれを本物だと証明するための卒業証明書等が取れませんので、こうなった以上はきちんとした捜査機関の方にお調べをいただいてその結果を待ちたい」・・・???
弁護士まで、「卒業証書は私が保管しております」とか言ってましたが、まるで東洋大学に過失があるような言い回し(あったらすみません)・・。
これ、東洋大学に聞けば除籍の理由も分かりますし、卒業証明書発行の有無も分かるでしょうに。これだけ拗れに拗れて、結果、やっぱり卒業証書は偽造だったとか分かったら、いったいどうするのでしょうか?
この会見、山尾志桜里氏のそれと重なって見えてしまうのです。
彼女も冒頭に「過去の指摘に対する説明も真摯に丁寧にしていきたい」としながら、肝心の問題については「ご容赦願いたい。いま新しくその件についてお話させて頂くことは勘弁願いたいと思います」って・・・いったい何しに来たんですか?もう不信感しか抱けません・・。
これらを踏まえて、他山の石とせねばならないのは、恥ずかしいことであっても、ちょっとした嘘がばれたとしても、
事実であればすぐに認めて謝る
これが鉄則なんです。広報部にいたこともありますから、この辺のリスクマネジメントはよく承知しております。
これ、特に経営者にとっては大事ですね。嘘をつくと、さらに嘘を上塗りしていかないと整合が取れなくなるものですから、ドンドンドンドン沼にハマるように抜けなくなってしまう。最後は自滅です。
そもそも過失がないのが一番なのですが、例えば社員が不正をしました、社員を守るために不正を隠蔽したと、その場は仮に凌げたとしても、必ずその手の件は明るみに出ます。繰り返しますが、初動で事実を語ること、これに尽きます。

