契約先の会社でこの話題、出たんですけどね?これ、3月19日のワーキング(第11回液化石油ガス流通ワーキンググループ 2025年3月19日)でも高橋委員から、
通報フォームに寄せられた情報の実態が見えない
という発言がありまして。これは真面目に商慣行是正に取り組まれておられる多くのガス事業者の代弁でもあります。端的に言えば、「悪いことをやっている=改正省令違反を堂々とやっている事業者の悪行を通報しているのに、規制当局はちゃんと立ち入りなり注意なり、やっているのか!」ということなんですね。
24年11月の第10回ワーキングでは、そういった声に押される形で「全国で16事業者にヒアリングと立入検査しましたよ」という報告が、事務局である規制当局から出たんですが、皆さん、「だから、そこはどこなんだ」と。

これ、限界あるんですよ、やはり。悪徳事業者の名前を出したいところなんですが、残念ながら、皆さんから寄せられた通報の中に、決定的な証拠がない。私も皆さんから頂いた某大手悪徳事業者の提案資料などは目を通しておりますが、大体のものに日付が入っていない。あるいは「そんなのは偽造だ」と言われた時に、反論可能な確証的なものがなかなか用意し辛かったりします。
また一方、「改正省令を真摯に守って顧客を失った」事業者に報いるために、せめて「優良事業者として経産省が認定制度を作れないか」と、私から日置室長に直接お願いした際は、「国としては難しい、民間でやって頂けないか」という回答でした。しかし、これも致し方ないのです。
なぜなら、例えば優良事業者としてホームページに掲載した事業者が何かしら悪さした場合、
国の威信が地に落ちる
わけですよ。なかなかにして、悪いことをしても、良いことをしても、国が名前を出すのは難しい。ですが、通報フォームに出している情報は、活用されていることは間違いありません。実際に某大手事業者は社長が呼び出され、厳重注意を受けて、その後に過大な営業行為が止まったという事実も確認されています。
東北に基盤を持つ、名うての暴れん坊事業者も、周辺不動産事業者から「あれほど派手にお金をばら撒いていたのに、突然『もうそういうことは出来なくなりました』と言われて戸惑っている」という声も入るなど、流通政策室が動いている反証も得られています。
なので、実態が見えない、名前が出てこない、等のご不満があることも分かったうえで、やはりドンドン活用して頂きたいです。橘川先生いわく、「通報フォームは実効性確保のうえで極めて重要であり、ドンドン使って欲しい」。通報者の名前は完全に秘匿されます。「チクるようで嫌だ」などと言わず、せっかく国が制度として道を開いたのですから、使わない手はないのです。
業界の健全化、正常化を望むなら、積極的に活用しましょう。


