自由化の中で-商慣行是正特別版


2023年の夏-西日本のあるLPガス事業者様から新聞社経由で依頼が舞い込んだ。

「販売店向けに商慣行是正講演をやって頂けないか」-最初はお断りしようと思っていた。

なぜなら当時、私が新電力にいたこと、そして扱うには余りにも重い問題であったこと。しかし、お断りを入れようとした前日の夜だった。ガス会社の社長さんたち数名と飲んでいた時、時節柄、やがて商慣行是正の話題になった。

そこで私が「実はこんな依頼を受けてお断りしようと思っているんです」と言ったところ、全員が「断るなんて、もってのほか!」「何考えてるんですか、やりなさいよ」「ガス屋の親父なんぞ、エネ庁の小難しい文書なんかいちいち目を通さない。境野さんがいつもの分かり易い、映画のようなプレゼンでこの問題を斬ってくれたら、みんな喜ぶ、業界の為になる!」

-とうとう、押し切られて「やります」と言ってしまった。そこから3カ月を掛けて、ワーキングの資料を幾度となく読み込み、十数社にヒアリングを行い、ようやく7割方の完成を見た時に、私をけしかけた社長さんたちにプレゼンを観てもらった。


「年明けにもう一回、今度は全社員の前でやってくれないか」-全員が同じ反応だった。


2021年12月30日-あまりにも唐突だった朝日新聞の一面記事

                        出典:朝日新聞 2021年12月30日付

-唐突な記事に「経産省のリークではないか」という憶測も流れたが、背景には北海道生協連の長年にわたる調査があった。

同一エリア内にも関わらず、基本料金で3倍弱、従量料金で2倍強の開きがあり、この格差は5年以上にわたって変化なく未解決のまま。

2022年2月22日
-当時の萩生田経済産業大臣が朝日新聞の記者の質問に答えていく

経産省はこれまでも料金透明化の運動に取り組んできた。2017年2月には取引適正化指針を出したが、残念ながらかろうしで守られていると言えるのは、液石法14条書面交付時の説明のみ。2021年6月にも国交省向けに賃貸集合住宅におけるLPガス料金の情報提供の周知依頼を出すも、なかなか浸透せずに今に至っている。

そして大臣の指示を受けた経済産業省が各地でLPガス懇談会を開催、情報を収集し、とりまとめを行ったうえで、2023年3月、ついに「液化石油ガス流通ワーキンググループ(以下WG)」が再始動することとなった。業界最大級の激動の年となる2025年が、ここにいよいよ幕を開ける。

形成される大手事業者包囲網、定量的な基準が設けられない理由、そして三部料金制の本当の目的は-

-この続きは、会場で-


2025年最新作「自由化を超えて~行動こそ今を変える原動力」

「市場ではまだ過大な営業行為が行われている」-白熱した議論が続く中、大手事業者からの以外な反応

そして、橘川節が炸裂する-

-いよいよ追い詰められていく過大な営業行為、三部料金制施行後の世界は-